おうえん ページ6
どうにでもなれとまで思っている兎愛だったが、
黒板の前に立つなり、悪戦苦闘してしまっていた。
「はっ……!?」
そしてふと振り返ると、クラスメイトの視線が、自分に集中していることに気づくのだ。
「……暁月さん、答えられそう?」
「だ、だいじょうぶです!」
不穏な様子を心配して、文野は声をかける。
内心を漏らさまいと、兎愛は必死に……そして、気丈に振舞って見せた。
このままじゃ、笑いものになるかもしれない。
そこまで考えていた兎愛の心は、折れそうだった。
「……がんばって!」
その時だった。自分に視線が集まり、静かになった教室で、
一人の声が聞こえてきたのだ。
「え……」
兎愛が振り返ると、ただ一人彼女を違った目で見ているクラスメイトがいた。
……優奈だった。
彼女は、祈るような目で兎愛を見つめていた。
「がんばって……!」
優奈は、細々とした声を必死に出しながら、兎愛に応援の言葉を掛ける。
―――このまま答えなかったら、カッコ悪い。
応援を聞いた兎愛は、自分を奮い立たせた。
「……よし!」
二回目の、よし。
だが今度は、本気で書こうというやる気を持っていた。
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きせ(プロフ) - やっぱり物足りないですよね。正直な感想、ありがとうございます (2019年1月15日 22時) (レス) id: d21ca2596b (このIDを非表示/違反報告)
きせ(プロフ) - かなみさん 三部以降で、頑張って改善して行っているつもりなので、これからも応援よろしくお願いします! (2019年1月15日 22時) (レス) id: d21ca2596b (このIDを非表示/違反報告)
かなみ - 描写が少し物足りなくて、面白いのに勿体ないと思いました。 (2019年1月14日 10時) (レス) id: 9e95386d93 (このIDを非表示/違反報告)
花杜あみり@元花村すみれ(プロフ) - Twitterのフォローありがとう!最近バイトが忙しいけど、暇な時間に読んでみたい! (2019年1月3日 21時) (レス) id: bb468dc0cb (このIDを非表示/違反報告)
せいろん(プロフ) - どんな展開か楽しみにして読んでます(*^^*)がんばってくださいね! (2018年10月24日 8時) (レス) id: 795d0599c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きせ | 作成日時:2018年8月30日 20時