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無事レッスンが終わり鍵を返しに行こうとしていると

「帰り送っていくッスよ!」

と元気に言われたのを丁重にお断りしてきた

帰りは一人で帰りたいんだ、ごめんよ

鍵を返した後課題を忘れたことに気付き教室に向かい
急いで荷物を取ろうと思いドアを開けて目を疑った

「はぁ?」

私の席で、心地よさそうに寝ていた

レッスンしていて忘れていたが
半ば強制的にあいつと帰る約束をしていたのを思い出した

忘れ物を取るにもあいつが邪魔だし、、、起こせば強制的に一緒に帰ることになる

課題は明日朝学校でやって正直置いて帰りたい

散々悩んだ結果私は覚悟を決めた

彼に近づき、肩を揺り声をかけるも、んぅーと唸るだけだ

「寝起き悪いな?置いて帰るよー?」

「おーきーろー」

何度声をかけても反応はない

「起きたらきすしてあげるよー」

と悪戯心で自分でも聞こえるかどうかの声量で言って見るが彼は依然として変化はない

馬鹿みたいだなと思い、せめて戸締まりだけはと背を向けるといきなり何かに引かれ動けない
いや、何かではなく間違いなく彼なんだが

「それ、本当?」

いつもの中性的な声ではなく低音でだが寝起きだからかトロンとした声で聞いてきた

何が?としらを切っていると

あー!?そんな態度とるんだ〜!等駄々をこねた為

出席日数とボソッっと呟くとサァと彼の顔が青ざめた

「脅しか!?ううーっ!!聴かないぞ!あ、でもAと卒業出来ない?あああ!もう!バカ!おれのバカッ!天才だけどバカ!」

1人百面相している彼を眺めていたら突然視界が黒くなり抱き締められたと認識するにはさほど時間はかからなかった

「月永?」と聞くと

「ごめんもうちょっとこのままいさせて」

と消えそうな声で言われた

ぎゅうっと密着しているため彼の鼓動が良く聞こえる

ドッドッドッドッとドキドキしていることに気づいた

それに、かすかに彼が震えているのが分かった

自由奔放でも、自分に興味がなくても、裸の王様でも彼も人間なんだ

、、、、彼と身長差があるが今は彼が小さく見える

そっと彼の背中に腕を回すと一瞬ビクッってなったが安心したのか震えが治まった

「大丈夫?」

と恐る恐る訊ねると

「ん、ありがとな」

と顔をあげ微笑んだがその顔は泣きそうであった

しかし一瞬でいつもの表情に切り替わり

「あと、これはお礼な☆」
と頰にキスをし、柔らかいな!と感想を入れ手を握ってきたので

何だこいつと思いながら腹パンしておいた。ざまあ

・→←どうあがいても強制



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作者名:香奈 | 作成日時:2018年1月28日 14時

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