此所から先妄想故【月永レオ】 (ページ16)

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「(あ～あ、、、、本当に可哀想なセッちゃん)」

ただひたすらにビデオを見続ける彼

彼が思うことは悲しみか、愛か、はたまた哀なのかそれは知る余地もない

二人が亡くなったのは先月

不慮な事故だった

遺品として出てきた十数本のホームビデオ

俺とセッちゃんと二人で確認した

とても幸せそうに笑うから実はまだ生きていて海外にでも居るんじゃないかって思ってしまう

でも、そんなことがある筈もなく二人の遺体を見て

嗚呼、本当にほんとうに、、、、、居ないんだと実感してしまい

毎晩止めることもできない涙を溢しながら嗚咽をあげた

でも、毎晩そんなことの繰り返しでこれでは二人には顔向けは出来ないとつい最近

三日前にセッちゃんと二人でこのビデオを観賞した

それはとても甘く自然と涙を誘われるものだった

ちらりとセッちゃんを見ると何故か睨んでいる、、、何か恨めしそうにずっとそれを眺めるもんで俺は思わず息を呑んだ

セッちゃんはまるでそれに取り憑かれているみたいだ

それから日は経つ

セッちゃんはそこから一歩も動かなかった

狂ったようにずっと見続けた

そんな彼に

「もう止めよう、、、？」

そう言っても返事はかえってこなかった

「もう二人はいないんだ、、、、、セッちゃん、、、、、、」

俺はそっと流れる涙を拭いとってから

彼の隣に座った

セッちゃんがそれに取り憑いているのなら

俺は尚更セッちゃんと観なきゃいけない気がしたのだ

こうして今日もまた夜は更けていく