トントンってしてほっぺ ページ31
前にいる恵の肩をトントンと叩く。
「…?何ですか、」
「あははっ引っかかったぁ〜〜」
ふに、と恵の頬に僕の指がささる。恵の眉間に物凄い皺がよった。
「ウザ………」
「えっウザって言った?」
「言ってません」
「言ったよ〜」
恵は僕の手をバシッと払って行ってしまった。あんなに怒らなくてもいいのに。
僕といる時はいつもあの顔をしている。眉間の皺が取れなくなりそう。
…まあいいや。
ということで!今日は肩をトントンってして振り返った所をふにってするやつします。
小さい頃よくやったよね〜
「(Aだ)」
見つけた。Aは携帯でもいじっているのか、突っ立ったまま何かを見ている。
Aの後ろに忍びより、肩を叩く。
「…釘崎?今ちょっと忙しい」
…野薔薇だと思われているのかな。
Aは僕の方を見ず、携帯を触っていた。
もう一度叩く。
「…もう、何?」
ふに、とAのほっぺに僕の指がささる。…柔らかい。
このまま両手で触りたくなるくらい、触り心地がいい。
「!!五条先生!」
Aは驚いて携帯を落とした。
カシャン、と音が鳴って僕の足元に転がってきた。
指を離すのは少々名残惜しいが、このままなのも不自然なので仕方なく離してしゃがんだ。
Aのスマホを拾う。
「あっ、だめ!」
「?何で、……って、これ…」
ついていた画面は、待受の設定画面。
いつか撮ったAとの写真があった。Aの顔にだけスタンプがついているやつ。
「わーーっ!!」
Aは僕の手からひったくるようにそれを取り、赤い顔で僕を睨んだ。
「これは何でもないですから!ただ何にしようかなーって、それで偶々目について!それだけです!」
「ふぅん、それにしては真剣だったねぇ」
「そ、れは……」
カチン、と固まるA。
僕の顔が緩むのが分かる。…この子、ほんとに僕のこと好きだなぁ。
僕はもう一度Aの携帯を取ってカメラを開く。
「…先生?」
「はい笑ってー」
目隠しを外し、パシャリと一枚撮った。スタンプもバッチリ。
「どう?かっこよく撮れてる?」
「……………私、半眼です…」
「あははっじゃあもう一回撮ろうか?」
「要らない!」
Aは携帯を持って行ってしまった。その後ろ姿さえ愛しく思えてしまうのだから、困ったものだ。
…あれ、僕何しに来たんだっけ?
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ここ - 執筆お疲れ様でした!本当に大好きな作品で、何度も読み返させて頂いてます..!もう執筆活動はされない感じですかね...😭ととこさんの書く文章が本当に大好きなので寂しいです。もしまた機会があればもう一度お目にかかりたいです..!どうかお体に気をつけて下さい! (2023年4月4日 22時) (レス) id: 141a8a60c5 (このIDを非表示/違反報告)
遊ちゃん_SKZ(プロフ) - 完結おめでとうございます....!最高でした😭 (2022年5月10日 12時) (レス) @page50 id: fe8355afed (このIDを非表示/違反報告)
空木* - 完結おめでとうございます!前作の方を読んでいて、続編を必死に探したところ漸く見つかって歓喜しています、、素晴らしい作品をありがとうございました!! (2022年3月23日 16時) (レス) @page50 id: 4d0bb8efc1 (このIDを非表示/違反報告)
ととこ(プロフ) - 雪さん» 雪さん。コメントありがとうございます!雪さんのコメントに励まされて書き進めることができました…!櫻井さんの声素敵ですよね〜私はおそ松でハマりました(笑)好きになるキャラは尽くcv櫻井さんです(笑)他の作品も宜しければぜひ!! (2022年3月9日 23時) (レス) id: e28f50cbf3 (このIDを非表示/違反報告)
ととこ(プロフ) - サブリオさん» サブリオさん。コメントありがとうございます!もっと書きたいことはあったのですが、力が足りず…(笑)ここまでご愛読いただき本当にありがとうございました! (2022年3月9日 23時) (レス) id: e28f50cbf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ととこ | 作成日時:2021年12月31日 8時