好きだった ページ49
幸い私はすぐに目を覚ました
私は弱いが、体はすこぶる強いので大抵の怪我は大丈夫なのだ
目を覚ましたのはちょうど高専につく頃だった
「…ごめんねA」
私が起きたのを確認した先生が言った。それは怪我のことか。それとも、
「いえ。大丈夫です。分かってるので」
うん。大丈夫。ちゃんと分かったから。嫌っていうくらい。
きい、と車が止まった
車からおりると、釘崎が駆け寄って来た
「あ、あんたボロボロじゃない…!」
「釘崎ぃ……」
「荷物は後で部屋に運ぶんで、今日はもうゆっくりしてくださいッス!」
「ありがとうございました。新田ちゃん。………五条先生」
「……ん。ちゃんと休むんだよ」
「はい。…失礼します」
ペコリと二人に頭を下げた。
釘崎が私を驚いた目で見ている。そりゃあそうだ。私が五条先生を前にこんなおとなしいなんて、今までになかったからね。
車から少し離れたところで釘崎が口を開いた
「ちょっと、A。…どうなったの?」
「…うーーーん。良くはないなあ」
「告白した?」
「まあしたよ。フラレたけど」
釘崎は目をまん丸に見開いた。…そんな驚く?
「……まだ好き?」
「………好きだったよ」
私がにっこり笑って答えると、釘崎は私の背中をバシッと叩いた
「いった!そこ怪我したとこ!」
「今日はパーティーよ」
遠征帰りにも関わらず、その日は夜通し語り尽くした。次の日は安定に死んだ。
ーーーーーーー
「……好きだったよ」
野薔薇と話すAのその言葉を聞いて、頭を鈍器で殴られたような感覚になる。
『好きだった』その言葉が何度も頭の中で繰り返された。
失礼します、とAが言ったときの顔を思い出す。
感情を押し殺したような笑顔だった。あんな顔させるつもりはなかったのになぁ…
「へぇー……好きだった、ね」
新田に聞こえないようにポツリとつぶやく
それは困るなあ。冷たくしすぎちゃったかな?
クツクツと笑いがこみ上げてきた
「今度は僕の番ってことか」
「ご、五条さん……すっごい悪い顔してるッス……」
906人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白瀬 - 続編希望です、、!! (2021年12月31日 18時) (レス) @page50 id: 489b6ba190 (このIDを非表示/違反報告)
ミスティ - 読きがめちゃ気になる‼︎楽しみにしてます! (2021年12月31日 0時) (レス) @page45 id: bd5baed227 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 良ければ夢主が意識不明の重体だったらが見たいです…… (2021年12月31日 0時) (レス) id: 1a3576844a (このIDを非表示/違反報告)
サブリオ(プロフ) - ひゃあああああ!!好きです!!!! (2021年12月30日 21時) (レス) @page43 id: bf050ca47a (このIDを非表示/違反報告)
じんぎすかん - 大好きですぅぅ (2021年12月30日 18時) (レス) @page42 id: 4ef28d026c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ととこ | 作成日時:2021年12月25日 0時