リナリア２ (ページ43)

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隆二side ページ43

目を覚ますとそこに彼女の姿はなかった。

そのかわりに置かれたおかゆと紙切れ。

＂あっためて食べてね。お大事に。＂

紙切れには丁寧な字でそう書かれている。

おかゆを温めようと立ち上がると

随分とラクになった体。

Aちゃんのおかげかな。

そんなことを思うと自然と笑みがこぼれる。

Aちゃんの作ってくれたおかゆは、

優しくて、美味しくて、

俺のために作ってくれたと思うとまた笑みがこぼれる。

・

＂居てよ、まだ＂

不意に口から零れたその言葉は

俺の本音。

あわよくば。

居てよ、ずっと。

毎日、ご飯一緒に食べて、

おやすみ、おはようって笑って、

時には喧嘩もして、仲直りして、

こうして風邪をひいたときはお互いに看病して、

・

、、って、思うだけ。

伝えることが出来ないのはきっとまだ怖いから。

きっと。

レイカとのことがトラウマ。

…きっと。

……いや、気づいてるんだほんとは。

レイカのせいにしている自分がいるってことに。

俺の弱さを過去の思い出のせいにしてる自分がいるってことに。

でももうやめる。

本当に好きだから。

＂伝えなきゃ、思っていないのと同じ＂

これ書いたの、誰だよ。

伝える。

伝えたい。

・