リナリア２ (ページ42)

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あなたside ページ42

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何も言えずにただ隆二くんを見つめることしか出来なかった。

「寝るまででいいから…居てよ、ここに。」

隆二くんが横になるベッドのそばに目線を落とす。

『……い、るね。ここに。』

魔法がかかったように固まる体でなんとかそう伝える。

出来ることなら、ずっと…ずっとそばにいたいよ。

これが私の本音。

だって、好きな人だから。

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＂ありがとう＂

そう微笑み、私の手を離した隆二くんが眠りにつくのはあっと言う間。

手、離して。

思ってもないのに思ってみたその気持ちは

やっぱり必死に自分についたウソで。

あっさりと離された私の左手は

ぬくもりを欲しがる。

隆二くんのぬくもりを。

・

薄く開いた口に私の唇を重ねてしまえばラクになるだろうか。

この苦しく辛い隆二くんへの想い。

目の前でスヤスヤと眠る隆二くんを見つめながら、

片想いってこんなに苦しいんだなあって。

そう思った。

『…好きです。』

いいよね。聴こえないんだから。

＂俺も好きだよ＂

そんな言葉を待つばかり。

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ちゃんと伝えてもないのに。

私って馬鹿だなあとつくづく思う。

『お大事に。』

・

・

早く良くなりますように。

そう思いを込めて、

・

ほんの少しだけ…

＂好き＂が伝われ。

そんな想いも込めたおかゆを

夜の分作って、隆二くんの家を出た。