リナリア２ (ページ41)

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あなたside ページ41

私の作ったおかゆを頬張る隆二くん。

「俺食欲なかったのにすごいね、Aちゃんのおかゆ！」

＂美味しい＂って笑う頬は熱のせいかほんのりあかくて。

そんなところにもドキドキしてしまう私がいる。

「ご馳走様でした～」

『薬、飲もっか。』

＂えー＂と顔をしかめたけど、私が困っているのに気づいて

「…飲もうかな。」

ってまたほんのり染まる頬を上げて、私の顔をのぞき込む。

今日の隆二くん……いつもの何倍もかわいい……。

・

薬を飲むと眠くなったのか、とろんとした目がもっととろんって。

『じゃあ、私そろそろ帰りますね。』

私がいたんじゃゆっくり眠れないだろう

そう思って、立ち上がると、

突然掴まれた私の左腕。

『…えっ』

ベッドから少しだけ体を起こした隆二くんを見下ろす。

「手首細いね。」

『えっ…あっ、そんなこと…』

……なにこの状況。

私の鼓動は高まるばかり。

手首からするりと手のひらまで下ろしてまたきゅっと握られる私の左手。

親指で手の甲を撫でながら、隆二くんの瞳は手の甲と私の瞳を行ったり来たり…。

こんなの……、

私はじっと隆二くんを見つめることしか出来ない。

まるで魔法がかかったように、動くことが出来ない。

これ以上、そんなこと…

……手、離してよ…隆二くん。

・

「居てよ…まだ。」

・

そんな、甘い魔法を

甘く掠れた声で、私にそっと振りかける。

熱のせいで潤んだ瞳と染まった頬。

・

土砂降りの雨の中、飼い主を待つ子犬のように

私をのぞき込む。

＂拾ってください＂とでも言うかのように。