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広臣side ページ33

隆「ゲホッゲホッ…」









ほら、思ってた通り悪化してんじゃん。









『大丈夫じゃないっしょ。』









隆「…ちょっとやべえかも。」









言い返す元気もない、か。









『ほんともう帰った方がいいって。』









隆「あと1時間じゃん、無理させてよ。」









『…んー………。』









マジでしんどそうで弱ってるのに、言うことは朝と変わらず。









たしかに、俺が隆二の立場だとしても、無理してえよな。









プライドがあるもんな、ボーカリストとしての。









『あと1時間、頑張るか。』









隆「ありがと、臣。」



















残りの1時間、隆二が気になってボイトレって感じじゃなかった。









何度か、壁に手をついて呼吸を整えてるから

ほんとにもうやべえと思って、もう1度声をかける。









『隆二、』









そう肩を叩いた時、熱い体がふらっとよろけた。









『おいっ?!』









少し俺の方に倒れてきたけど









隆「ごめんごめん」









そう言ってまた笑う。









隆「あと10分だからさ、ね。」









…そんなに無理しなくても……。









『隆二、今日特別やらなきゃいけないって日じゃ…』









隆「やばい時に頑張れないんじゃだめじゃん、ね。」









呼吸だって、朝より全然荒い。









だけど隆二はやると決めたら聞かない男なんてことはずっと前から知っている。









『、無理すんなよ。』









もう、充分無理してるけど。



















倒れるんじゃないか、なんて心配で

10分がとても長く感じた。









無事、ボイトレが終わって隆二のところへ行く。









『お疲れ。へーき?』









隆「おつかれ、ゲホッ。」









『歩ける?』









隆「…なんとか?」









そういうから歩いてもらってるけど、

壁に手をつきながらで、めっちゃゆっくりだから、









『乗れよ。』









隆二の前にしゃがんだ。









隆「ごめん、ありがと。」

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作者名:renka | 作成日時:2017年6月5日 23時

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