リナリア２ (ページ26)

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隆二side ページ26

「それでねー、ふふっ」

酒、弱くない？

『Aちゃん、酔ってる？』

「んーん、ぜんぜーん。あっビールとってー」

『もうやめた方がよくない？』

ほっぺた、真っ赤だよ。

「やだよー、飲み足りないもん。」

いつの間にかなくなってる敬語も酔っ払ったせいかな。

いつも無くていいのに。

「もう隆二くん取ってくれないなら自分で取るからー」

そう言うと俺に跨るようにしてビールに手を伸ばす。

やべえって…理性保てねえよ…。

『ねえ、』

「んっ…？」

ビールを持つ左手の手首を掴む。

跨ってるせいで吐息がかかるくらいの距離。

酔ったせいでとろんとしてる目と、紅く火照った頬。

それに赤く膨れるその無防備な唇。

……やべえって。

「どうしたの？隆二くん。」

掴んだ手首を引いて抱き寄せる？

それともキスしてそのまま押し倒す…？

・

＂Aのこと、よろしくな＂

さっき、Oasisでマスターに言われた言葉がふと聴こえた気がした。

ハッと我に返って掴んでいた手首を離した。

『ごめん…、ビール、俺にも取ってくれない？』

必死についたウソ。

「もうー隆二くんも飲みたいんじゃん。はいどうぞ！」

だけど酔っぱらいのAちゃんには俺のこのドキドキはまるで伝わってないようで、、。

よかったような、…そうじゃないような。

片想い…辛いなあ。

酔っぱらいの行動なんて、

と思えばいいのに＂Aちゃん＂として見ちゃうから、

『はあ…』

「幸せ逃げちゃうよ？」

…ほら、それ。

無邪気に笑って俺の唇に人差し指を当ててくる。

＂しーっ＂って。

もう、抑えらんない。