向日葵のように笑って２ (ページ16)

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広臣side ページ16

今日の隆二はずっと変。

変というか………

「臣ぃ？」

気持ち悪い。

『顔に書いてあるよ幸せ～って』

「え？まじ？」

違えよまったく。

どこどこ？とか言ってペタペタ顔を触ってる。

『その様子だと昨日の誕生日、うまくいったんだ。』

「もうね～うまくいったとかじゃないよまじ。」

＂これ＂そういって自分の耳を触った。

『ピアス変えたの？…あっもしかして』

＂Aちゃんからで～す＂なんてニヤニヤしてる。

「隆二さんまじやばいっすね！いつの間にそんな仲良くなってるんすか～！」

ケータイ片手に＂んー？＂なんて高い声で。

こいつほんとにAちゃんのこと好きなんだな。

「あっこれがんちゃんにね」

「えっありがとうございます！」

「これは臣に」

……ふたつもマグいらなくね？

＂アイリちゃんとペア＂って小声で。

「えっ臣さんちょー顔赤いっすよ。」

『うるせえ。』

「てか隆二さん…ヤったんすか？」

末っ子はニヤニヤニコニコ。

＂……うん＂

って女子か！顔真っ赤で。

「俺サクラと倦怠期なうなんすよ～プリン食べたら口聞いてもらえなくなったあ。」

かわいいな。

「んで？」

え？ふたりして俺の顔覗き込んできた。

『何が？』

そう聞くと声を揃えて＂アイリちゃん＂なんて言うもんだから噎せた。

「ちょ、なに噎せてんの( 笑 )やましいことでもあんの？」

『ねえよ。』

ほんとにない。アイリとは上手くいってないわけじゃないけど隆二やがんちゃんみたいに惚気られる思い出がまだない。

隆二やがんちゃんみたくガツガツ＂すきー！＂なんて言えないし…。

「臣はさ、思ってること口にださないタイプじゃん？だからさ、もっと口にだして＂かわいい＂とか＂すき＂とか言えばいいんじゃねえの？」

気づいたら声にでていた俺のきもち。

隆二からのアドバイスに＂そうだねありがとう＂と言うために開いたはずの俺の口からは別の言葉が零れていた。

『隆二と俺はちげぇんだよ。』

はじめは驚いた顔をしていたが＂あっそ＂と言ってどこかへ行ってしまった。

今だって言いたいことはたくさんある。

でも言えないのが俺なんだよ。

「臣さん俺いつでも相談乗りますから。」

『ありがとう』

とだけ言ってその場を離れた。