向日葵のように笑って２ (ページ8)

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隆二side ページ8

カラオケからの帰り道。

行きと違うのは隣に居るAちゃんが俺だけのものになったってこと。

俺に過去のことを話してくれた次の日の朝、＂幸せな道に歩き始めた＂なんて微笑んでたあの日。

あの日を境にAちゃんは少しずつ吐き気や苦しみから解放されていった。

今でも疲れている時とかストレスの溜まってる時とかはまだ震えたり吐いちゃうこともあるみたい。

でも良い方向に進んでるのは確か。

そしてAちゃんの言う＂幸せな道＂に俺が関わっていたこと。

それが何よりも嬉しい。

『Aちゃんは今、幸せ？』

少し驚いたように目を丸くした彼女。

『俺はすっごい幸せだよ。』

すくうようにしてAちゃんの手をとり握るとAちゃんもギュッと握り返してくれた。

「…私もすっごい幸せ。」

そう言うと２人で顔を見合わせて笑った。

こういう何気ない幸せな日々が続きますように。

「あっそういえばアイリと臣くんうまく行きそうだね」

『臣あいつ女の子に対してあんなに必死なのはじめてみたもん。』

そう言って笑うと＂そうなの？＂って一緒に笑った。

「『うまくいくといいね』」

その後も＂それにしても隆二くん歌上手いね。＂なんてはしゃいでたり、＂隆二くんは三代目になる前は何してたの？＂とか話は尽きなかった。

タクシー呼ばなくてよかった。

こうやって歩きながらAちゃんと話して帰るの実はすっげえ好きなんだよね俺。

これがこうでね、こうなったんだよとか身振り手振りで話すAちゃん。

繋いでた右手をグッと引き寄せた。

俺の胸に埋まっちゃうほど小さな身体。

『大事にするよ………A。』

トクトクと音を立てる2人の心臓ははやくなるばかりだった。