パパの攻略方法 。【 呪術廻戦 】

明日はきっと晴れるでしょう ページ21

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パパは恥ずかしそうに顔を手で覆う。それを見た私は、頬がだらしなく緩みそうになるのを抑えた。

────くそう、可愛いじゃないか伏黒甚爾！



『んふふ、悪くないよ！嬉しい』



にっこり笑顔を浮かべる。パパはﾁｯと舌打ちをすると、カゴを持ってレジに直行しようとした。その行動に笑顔のまま固まる。




アレ？？？？私は「悪くないし嬉しいけどそれは多いね！」ってことなんだけどな？？？？伝わってない…？




『…パパ、Aは少しでいいよ！』

「お前は悪くねぇっつったろ。俺が買いてぇから買わせろ」

『でもそんなに沢山クローゼットにしまえないよ？』

「クローゼットも買えばいいだろ」



────あー言えばこー言うな！！！！というかクローゼットも買おうとするんじゃない！！！私に買うくらいなら貯金してろ！！！！！！





何としてでも3カゴいっぱいの洋服を買いたい父とそれを止める娘の図を、他の買い物客にお届けしている状態だ。



パパお願いだからせめて5着にして。親バカなのは分かったから。…え？足りない？……じゃあ6着！！！！(最大の譲歩)





『あ、そうだ！ねぇパパ、そんなに買わなくていいから、お揃いのもの買おう！うんそうしよう！
ね、だからその服の山を元の場所に戻そう！！』


「巫山戯たこと言ってねぇで離せ」

『Aはネックレスが欲しいな！！アッほらあの緑のネックレスとか！！パパの目みたいで綺麗！！！』



「…どれだよ」



よしよし食い付いてきたな…！？こっちこっちとパパを引っ張ると、ネックレスを手に取る。





『ほら見て、パパの目みたいにキラキラしてる！コレが欲しい！』


お願いだパパ、今だけはお揃いが1つあれば満足してくれる親バカになってくれ！！





「…お前はそれが欲しいんだな？」

『うん！！！今すぐ欲しいな！！』



「…そーかよ」



私からネックレスを取り上げると、パパも同じようにネックレスを1つ手に取りレジに向かった。


私はその内に服を爆速で直す。パパが会計から帰ってくると、私にネックレスを投げた。





『わっ…！っと、』


慌ててキャッチする。

お礼を言おうとすれば、パパの首に深緑のネックレスがあることに気づいた。
そのネックレスは、まるで私の瞳のようで。




「お前が望んだお揃いだ、良かったな」



チャリ、とネックレスを揺らして嬉しそうに笑うパパに、勝敗もつけてないのに負けた気分になった。





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(彼には一生勝てない気がする)

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