目まぐるしい日々さえ愛おしい ページ19
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「おい。買い物行くぞ、準備しろ」
────ある日の昼頃の話である。パパが私の前で仁王立ちしてそんなことを言った。
突然そんなことを言い出すものだから、一瞬フリーズしかけたが、直ぐに笑顔を取り繕って『うん!』と頷く。
『パパのお仕事の道具買いに行くの?夕飯の買い出し?
あ、それともこの前みたいに余所行きのお洋服を買うとか!』
「違ぇよ。お前に好きなモン買ってやるっつってんだ」
『………ファッ?』
一気にIQが低下した私の間抜けな声に、パパは面倒くさそうに他所をむく。パパは冷静でいるのだろうが、私は困惑していた。
え、えぇ〜??お買い物??しかも私の好きなヤツを買ってやるって…し、信じらんねぇ〜〜〜!!!
だってあのパパ黒だぞ??あのパパ黒が私如きに金を使うなんてあるわけないだろ。(唐突な卑下)
『わぁ、本当?嬉しい!でもパパ、私欲しいヤツないの』
「見て回りゃ1つぐらいは見つかんだろ」
『それはそうかもしれないんだけど…』
そもそもこの前の禪院家に行った時の着物は、パパの人生の一部になるかもしれないから、金を詰んだだけだしなぁ。
…なんて考えてしまう私は、相当ひねくれている。
パパは面倒くさそうに頭をガシガシとかく。そして思いついたとでも言うように指をピンッと立てた。
「とりあえず5分以内に着替えてこい。着替えてこねぇと帰りに菓子買ってきてやんねぇぞ」
────そ、それは困る!!
慌てて自分の部屋に駆け込むと、勢いよくクローゼットを開けた。
『(えっと、パパの隣に並んでてもおかしくない服装は…これ?それともこっち?でもこっちの方がAチャンに似合う気が…)
…っだぁ〜、もうこれでいいや!』
適当に取りだしたのは、白のワンピースと黄色の長めのカーディガン。寒いだろうから、黒タイツも履いていこう。
全て身に纏うと、鏡の前でクルリと一回転する。うん、控えめに言って可愛い。
『パパ!準備出来たよ!』
「おー…」
パパは私の方を向くと、品定めでもするように爪の先までしげしげと見つめ、ハンッと鼻で笑った。
「いいんじゃねぇの?」
『…ありがと!』
少々小馬鹿にされた感はあるが、まぁ褒めてくれたという事にして受け取っておこう。私優しいから。
出る時にパパがバックに沢山の札束を入れていた時は、マジで頭が可笑しいのかと疑った。
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(ほのぼのデート編、開幕)
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狐(プロフ) - 初コメです!失礼します!夢主も伏黒甚爾もめちゃくちゃ可愛すぎませんか!?吐血じゃないですけどゴフッって空気吐くくらい可愛いです!めちゃくちゃ応援します!更新頑張ってください! (12月30日 3時) (レス) @page48 id: 17039bfc90 (このIDを非表示/違反報告)
れれ(プロフ) - もうまって大好きです面白いと可愛いの大渋滞です…!!続編いつまでもまってます! (12月26日 4時) (レス) @page48 id: 9c9eeae16e (このIDを非表示/違反報告)
望奈 - おもろすぎん。 (12月8日 22時) (レス) @page48 id: 8b146cc8f6 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します!めっちゃ好きです…!!パパ黒との絡みがてぇてぇ過ぎて吐血するかと思いました()更新頑張って下さい。楽しみにしてます! (11月30日 20時) (レス) id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
ずんだぁ - 投稿楽しみにしてます!! (11月26日 20時) (レス) @page48 id: f8f579a222 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イケメンになりたい。 | 作成日時:2021年1月13日 22時