ぎゃるまいんど【！】 (ページ7)

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第贄話・きみの毒で弑してページ7

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「ほら挨拶せんかい」
「、ドーモォ。シャオロンでーす」
「っす！空閑です！」
「一応コイツが空閑さんのサポート役になっとる。わからん事とか困った事があったらコイツに聞いてな」

W国に来て2日。想像以上に良質なQOLと、朝からバッチリメイクも出来て欣快の次第だった空閑は心を躍らせたまま重々しいノックに「ハァイ！」と扉を開けて仰天した。
まさかの幹部殿が2人も御座したからである。トントンがドンと背中を叩いたせいか、シャオロンはチョット不服そうだけど。マァ、このアホJKの世話を進んでやる物好きなんて、コイキングを手持ちポケモンに常時セットしている奴ぐらいだし。
そうシャオロン、好きでここに来ているワケではない。

『保護対象の監視兼護衛ていう体で仲良くしてきてクレメンス』
『ッハァ！？！？』

とある昼間に幹部専用の鍛錬場に突撃してきたグルッペンは土臭かった。土と泥と木々に混じって微かに甘い匂いもする。大方、甘味を食べに森を突っ切って城下町に降りたのだろう。
どんだけ甘いモン食べたいねんコイツ、と呆れるも束の間。とんでもねえ爆弾を落としやがった甘味野郎にかわゆい男は空をも揺らす大声をあげた。

『仲良く言うたら大先生とかの方が適任やろ！』
『それがな、お前しか適任がいないんだシャオロン』

グルッペン曰く。
トントンは軍を回すのに手一杯だからダメだと。
オスマンは情報収集のお茶会よりパジャマパーティーとか始めそうだからダメだと。
ひとらんらんは遠征中だと。
兄さんも上記の理由で却下だと。
コネシマはなんとなくダメだと。
ゾムはあの女を遠目で見ては「……ウン」と頷いてる姿があの女の命を危機を表してるだからダメだと。
鬱は手を出しそうだからダメだと。
ロボロは女慣れしていないからダメだと。
エーミールも童貞だからダメだと。
ショッピはロリコンだからダメだと。
チーノは胡散臭すぎてダメだと。

そして童貞ではなく簡単に手を出さない、なんとなくダメというワケでもないシャオロンが選ばれたワケである。

『いや、消去法やん』
『そうとも言えるかもしれんな』

マァこれは命令だと言われれば幹部に断る術はない。
こうしてシャオロンがこのアホのお世話係(笑)になったのであった。ご愁傷さま。

「マァ仲良くやろうや、岳」

あたかも忠実な飼犬のようにカラコロ笑うシャオロンは笑顔の下で中指を立てた。

ゼッテェ飼い慣らしたるからな、と。