○ 天竺葵のアオい庇護欲 ページ18
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「闘技場」
「おん」
鬱に連れられ空閑の部屋までやってきた喫煙所帰りのコネシマは煙草を見た。とっくに火が消えていたのでそのまま片した。
何故闘技場の話をしているかと言うと、書庫室に行ったと聞いたので。なら教えてもええか、注意喚起にもなるしという軽いノリ。
「マァ違法なんやけどな」
「違法」
「やっちゃアカン！ ちゅーヤツや」
亜空間魔法で煙草を消す。
羽が生えた黒い丸がバクン！ と煙草を食べた。亜空間の具現化みたいなモンである。胃の中が亜空間と繋がってる不思議な構造をしてるイキモン。名前は「呪霊玉」、略してじゅーちゃんである。命名シャオロン。版権に引っかかると言っても聞きゃあしねえ。
ちなみに亜空間魔法や空間拡張魔法を使う為には免許を取らないといけない。
その資格試験にはある程度の魔力指数と知能が必要な為、幹部の中でも持っているのはコネシマとトントンだけである。
書庫室に空間拡張魔法をかけているのはコネシマであるから、今消えた煙草は書庫室のどっかに落ちている。多分。今火災探知機が動いたらコネシマのせい。
エーミールは確か地下の方にいるので、エーミールが気づいた頃には炎の海。本は勝手に逃げてくので大丈夫だろうけど。書庫室が好きなエーミールにとっては大打撃である。
ウン。エミさん、すまん！
「賭博、アー分かりやすく言えばギャンブルな。ギャンブルは昔は容認されとったけどなあ、最近になってサツに取り締まられるようになってん。要らん事しやがってホンマ」
「ホォン」
何もここは軍隊に支配されているワケではない。警察署の監視を横目に総統が収めるという仕組み。尚軍隊と警察署はとても仲が悪い。娯楽である賭博を違法として定められたので尚更。
なので年1で来る警察の訪問には幹部の中で最も嫌がらせが上手い野郎共が前に出たりしている。
出会い頭に殺さないだけ褒めてほしい。
「チョ、シッマ。その話してもええんか？」
「オ？ オォ、大丈夫ちゃうか。
「それはそうやけども！」
鬱は空閑から5歩離れると声を潜めて宣う。
「俺らがソレを見て見ぬフリしてるってバレるかもしれへんぞ…！？」
「……ハッ！」
その言葉にコネシマは脂汗を滲ませ空閑を見た。目がキラキラしている。ショッピングモールのstaff onlyの文字に指をくわえて見ている幼児と同じ顔をしやがる。
ア終わった。
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作者名：___ | 作成日時：2023年7月23日 21時
