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ゾムが「ア、や、嫌や。離さんといて」とうるうるして駄々を捏ねたので指を絡ませたまま外に出た。
たまたま外に居たコネシマに「オマエ、何で旧資料室から、……アーーそういう事か！ ヤすまん、男女の関係にあーだこーだ言う程俺は野暮やないんやで？？」と背中を叩かれたので丁重に訂正しといた。違いマス、お友達です。
「岳、ソレ何？」
「ゾムさん」
「その腕に巻きついてるカメレオンが？？」
「えゾムさんカメレオンなの」
「ちゃ、ちゃうよ。俺ゾム」
「……？」
人間ぢゃん、と空閑は不思議そうにシャオロンを見た。確かに喋るカメレオンはこの世界には存在するけれど明らか人間のカタチをしているので。
この世界は人間だけが言語を喋るワケじゃあない。
下半身が魚のファンシーでかわゆいムチムチおっ
城下町に降りたら日本とは全く違う人混みに空閑は卒倒しそうになった。興奮で。
だって何アレ、あの背が高い兄ちゃん。ぴるるっとお耳が動くのよ！ 狐さんかしら。はゎ、チョ〜きゃわゆいんだが❣️
ナンパしそうになったとこで護衛のオスマンが「一回ナンパにつき買えるコスメが5個減ります」と止めに入った事で事なきを得た。
空閑の優先順位は何よりも先ず「かわいい」が来るので、かわいいを作るコスメの方が優先順位が高いのである。
マとにかく、色んな種族が仲睦まじく共存しているのである。種族格差はあるけど。いぢめとかで普通に殺人が起きっけど。
(進化した順に偉い。獣人(言語は同じだが見た目はそのまま)＞獣人≧人魚＞人間といった感じ。人間は下から3番目くらい。ちなみにエーミールを殴ったビル先輩は獣人である)
「イヤ騙されたらあかんで岳！ 目ぇ見てみ、ほぼ瞼やから」
「待って、カメレオンの目てほぼ瞼なの」
「せやで」
空閑はどれとゾムの顔を覗いて見た。睫毛に縁取られたスフェーンは熱をはらんでいて、そこだけ湿度が高い。深淵とかに引きずり込まれそう。
「……ぁ、」
ぽぽぽっと顔を赤くするゾムからは血の匂いがした。ヲトメの顔をしているのに。
そーいや任務帰りぢゃねと思い出す。３歩引いてエヘ、と誤魔化した。
「で、岳。どやった？」
「フツ〜に人間……」
「猫被んなやゾムゥ！」
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作者名：___ | 作成日時：2023年7月23日 21時
