もう一人、 ページ6
.
午後の授業が終わり、放課後。
心操がおもむろに立ち上がると、すたすたと一人で行ってしまった。
悲しみ、怒り、憎しみ
負の感情が全て背中に現れていて、如何にも着いてこいと言うばかり。
『…面白そうじゃん、』
少し、興味が湧く。
口元に弧を描き、彼の背中を追っていった。
____
________
____________
心操が行きついたのは、1年A組。
つまり、轟焦凍がいる場所。
少し反抗的態度をとりながらも、彼の跡をついて行った。
『…ヒーロー科…か。』
ざわりとざわめくヒーロー科の前、人混み。
ヒーロー科はどうやらヴィランに襲われたらしく、何かと有名になってきている。
『…会いたくないな』
「誰にだ？」
『それは勿論轟焦…っ！？！？』
言葉にならない叫びが、人混みの中へと消えていく。
そんな私を見て、彼、轟焦凍は、首を傾げた。
その綺麗な紅白の髪が、さらりと垂れる。
片方ずつ色が違う目は、私を逃がさまいと閉じ込めていた。
その中の私は、顔が引き攣っていた。
『…はは、ははは、は、は…。
…帰って』
「イヤだ。まだお前を見つめてぇ」
サラっと恥ずかしい言葉をだした。
やはり轟焦凍は恥じらいを知らない。
恥じらいに逆らえず、顔が熱くなる。
ぷいっと顔を逸らすと、轟焦凍は笑い、私の頭に手を置いた。
「顔真っ赤だな。可愛い」
頭をくしゃりと撫でられる。
…こいつは、何なんだろうね。(色んな意味で)
それに可愛いとか、女にほいほい言うものじゃ…あ？
『は！？』
今こいつ、私に可愛いと…可愛い、と言ったよね？
言ったよな！？！？
『っ…っ…！！っ…！？』
何なの君は
その言葉が喉の奥に突っかかり、出てこない。
何故、この気持ちは
何故、こいつは
何故、私の調子を狂わせる
『っ…、やはり君はきらいだよっ！』
「俺は好きだ」
それを無視し、心操の元へと足を踏み出したその時
「お」
『ぎゃっ』
爆発頭の彼とぶつかり
『ご、ごめんなさい』
謝罪すると手を掴まれ、なんだと彼の顔を見ると
「…おい、」
真剣に
「てめぇ、俺と付き合え」
何故か交際を申し込まれることになる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 244人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すやや - とても面白かったです!更新待ってますよ!!応援しています!! (2020年4月30日 21時) (
レス) id: 392bac1abb (このIDを非表示/違反報告)
イケメンになりたい。(プロフ) - ミムさん» わああ、ありがとうございます！轟くんの小説は初めてだったので、そう言ってもらえて幸いです！応援ありがとうございます！頑張りますね！ (2020年2月16日 20時) (レス) id: 14fa556edd (このIDを非表示/違反報告)
ミム - すごく面白いです!応援してます! (2020年2月16日 13時) (レス) id: 1979fc8c23 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：イケメンになりたい。 | 作成日時：2020年2月12日 21時
