梵天幹部の雑用係への溺愛がすぎる２【梵天】

８７：ホワイトデー１（万次郎） ページ40

長い協議の結果、万次郎の一声で「ホワイトデーは各自、良識の範囲内で。高額にならないこと」ということになった。



(良識の範囲内でって…良識って、反社じゃん。



反社の良識ってなに？)



いろいろツッコミたくなったが、ますます話がまとまらなくなりそうなので、黙ってボス命令ということで納得した怜奈。









ホワイトデー当日ーーーーー



未だかつてこんなに気が重いホワイトデーがあっただろうかと怜奈が朝食を食べながら思っていると、玄関のドアか開く音がした。


インターホンは鳴っていない…ということは万次郎だ。



ペタペタとスリッパの音が近づいてくる。



万「怜奈、おはよう」




『おはよう、ボス。早起きだね』



万「…商談があるからな。今日は帰ってこれない…」



早起きな上に今日は仕事が詰まっているようで不機嫌そうに答える万次郎。



万「でも、俺が一番に渡したかったから……これ、ホワイトデー」



持っていた紙袋を怜奈に渡す。



受け取ると大きいけど意外に軽い。



『ありがとう。開けていい？』



万「あぁ」



ソファーへ移動して中身を開けてみると、柔らかくもこもこした素材のパーカーとショートパンツのルームウェアと、キャンバス素材のエプロンが入っていた。



『え、可愛い。ありがと〜。似合う？』



バカ高いモノだったらどうしようかと身構えていたため、安心して嬉しそうに手にして、自分にあててみながら笑う怜奈に万次郎が笑みを浮かべる。



万「似合ってる」




『大事にするね。本当にありがと』



万「あぁ。じゃあ行ってくる」



『うん。いってらっしゃい』




(ボスがこれくらいだったら、他のみんなも同じくらいのものかな。良かった〜)






予想はあっさりと裏切られることを怜奈はまだ知らない。

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