梵天幹部の雑用係への溺愛がすぎる２【梵天】

８５：お返し ページ38

万「ホワイトデー、何が欲しい？」



『え』



オフィスのソファーでたい焼きを食べている万次郎にお茶を持っていくと不意に尋ねられ、キョトンとする怜奈。




同時に、他の幹部メンバーに最近やたらと欲しいものを聞かれていた理由がわかった。




『いいよ、お返しなんて。私が勝手にあげたかっただけだから』




お返しを期待していたわけではないし、単純に渡したかっただけなので、渡した時点で自己満足で終わっていた。




万「何か言って。じゃないと勝手に買うけどいいの？」




『よくない』



そこだけではボスであっても即却下する。



高価なものや、とんでもないものを用意しそうな気がする、というか絶対する。



万「じゃあ言って」



『あ〜…



え〜っと…


あ！


物じゃなくて…して欲しいことでもいい？』




万「なに？」



もぐもぐとたい焼きの尻尾が万次郎の口の中に入っていく。



『ボスに最低一か月はしっかり食べてしっかり寝てほしい』



万「却下」



(やっぱり)



ダメもとで聞いてみたけど、そこまで即答されるとは思っていなかった怜奈。




『じゃあ一週間でいいから』




万「……また聞くから考えといて」



(だめってことかぁ)

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