91:ホワイトデー(九井) ページ44
鶴蝶との買い物を終えて、やっとオフィスに戻れると思っていたが、鶴蝶が向かっているのはやはりオフィスとは違う方向で。
『鶴ちゃん、買い物はもう大丈夫だよ。
昼からココくんのバイトが入ってるからオフィスに戻らないと…』
鶴「大丈夫だ。これから向かうのは九井のところだから」
そう言って鶴蝶が車を停めたのは高級ホテルのエントランス。
ドアマンが車のドアを開け、車から降りると九井が立っていた。
九「よぉ、思ったより早かったな」
『ココくんっ。どうしたの、こんなとこで』
九「俺からのホワイトデーはここでする」
『え、ホテルで?……まさか、体で、とか蘭ちゃんみたいなこと言わないでよ?』
九「あいつと一緒にするな」
九井は嫌そうに軽く眉を寄せ、エスコートするように腕を出すと、すっと怜奈が自分の腕を絡めて九井についていく
。
二人が向かったのはホテルの高層階にあるレストラン。
この時期のこの時間帯は、1日20名限定でランチとデザートのビュッフェをやっており、特に苺をふんだんに使ったデザートが人気で。チケットは秒で売り切れ、転売サイトでプレ値がつくほどだ。
『え!ここって、こないだテレビでやってたとこ?ホント?』
ホテルに連れてこられ、訝しんでいた怜奈の顔が一気に明るくなる。
九「朝から動き回って腹減っただろ。
時間はゆっくりあるし、好きなのを好きなだけ食えよ。
食べきれなかったら引き取ってやるから」
『お腹ぺこぺこだった〜。
てか、ココこれるなんて夢見たい。チケット、全然取れないって言ってたのに…ありがとー』
色とりどりに並べられた料理とデザートに目を輝かせる怜奈。
しかも、一緒にいるのは大食いの九井だ。
シェアしたり、気になるのを一口たべたら後は九井が引き取ってくれたりして、通常よりかなり多くの種類の料理やデザートを楽しめた。
『はぁ〜、ココくんと来られて最高ー』
紅茶を飲んでほっと息をつきながら満足そうに笑う怜奈と、そんな怜奈を見て優しく目を細める九井。
九「できれば俺も買い物が良かったんだけどこっちで正解だったみたいだな」
朝から買い物に連れまわされ、食事は時間をかけてお腹いっぱいになると当然のことながら帰りの車の中で怜奈は熟睡してしまう。
オフィスに到着しても怜奈は起ず、車中で寝てしまったと報告を受けた春千夜に抱えられて部屋へと運ばれる。
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ゆう - 今までよんだ中でー番おもしろいです!いつもありがとうございます!これからもがんばってください! (11月14日 21時) (レス) @page12 id: 8a7e22f16f (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - 百合さん» 続編も読んでいただいてありがとうございますっ!嬉しいコメで頑張れます♡ (6月19日 19時) (レス) id: c86157d70c (このIDを非表示/違反報告)
百合 - うん、最高。←ホントに大好きです💖 (6月16日 15時) (レス) @page48 id: e72506d086 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - 東雲アカリ*さん» コメありがとうございます♡長いのに読んでいただけて嬉しいです♪ (2023年3月26日 20時) (レス) id: c86157d70c (このIDを非表示/違反報告)
東雲アカリ*(プロフ) - 初コメ失礼します!面白くてつい一気に読んでしまいました!続き楽しみにしてます! (2023年3月23日 23時) (レス) id: 0a20fc4a51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔夜 | 作成日時:2023年2月9日 18時