梵天幹部の雑用係への溺愛がすぎる２【梵天】

７６：侵入者２ ページ29

狭く暗い納戸の中でしゃんがんでスマホを操作していたが、足音が近くなったような気がして、そっとスマホを床に置いて包丁を握り締める。



足音やガチャガチャと戸棚を開けたりなにかを物色する音、会話までは聞こえないが男たちの話し声がする。




狭く暗い空間では自分の呼吸や鼓動ですら大きな音のように感じる。







見つかったらどうしよ…





殺されちゃうのかな






それならまだいいけど







みんなに迷惑かけるくらいなら









いっそ自分で…






でも






その前に、少しでも役に立つように傷の一つでもつけられたら…







誰かここに銃とか隠してないかな



スマホを手にするとライトをつけてそっと立ち上がり、棚を物色するが、タオルやキッチンペーパー、消耗品の買い置きなどしかない。







諦めようとしたそのとき







手からスマホが滑り落ちた。





慌てて手を伸ばすが、スマホは床に落ちて大きな音を立てる。







『！』






「「！」」






男たちの声が一瞬止まり、バタバタとこちらへ足音が近づいてくる。







バレた








包丁を握りしめて覚悟を決め、ドアを見据える

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