梵天幹部の雑用係への溺愛がすぎる２【梵天】

５９：バレンタイン後４ ページ12

春千夜の後頭部に銃口を向けているのは鶴蝶だった。



その隣には静かだが怒りのオーラが滲み出ている万次郎。



万「…三途、お前、何してんの？」



春「ボスっ、いや、違っ、誤解ですっ！」



両手を挙げて降参のポーズを取りながら弁明する春千夜の横を通り抜けて、泣きながら万次郎に抱き着く怜奈。



万「怜奈、大丈夫？」



『っ、春ちゃんが、ッ、怒った…っ』



万「大丈夫、オレが戻って来たから心配ない」



泣きじゃくる怜奈の背中を万次郎が優しく撫でながら怜奈を宥め、怜奈に向ける表情から一変してスッと真顔に戻る。



万「鶴蝶」



撃て、と言わんばかりに万次郎に名前を呼ばれた鶴蝶もさすがに怜奈の様子に気づいて躊躇う。



鶴「…いいのか？明らかに怜奈の様子がおかしいが…」



春「良くねぇよ！撃つなら、蘭と竜胆だろ！」



元凶である兄弟の名前が出るとそちらに冷たい視線を移す万次郎。



万「なに、お前らも何か怜奈にしたの？」



竜「いや、マジで誤解っていうか、わざとじゃないっていうか、不注意だったのは認めるけど」




蘭「そうそう。酔ってるだけだし、しばらくしたら戻るって」



鶴「…怜奈に酒飲ましたのか？」




今度は鶴蝶の目がスッと細くなり、銃口が春千夜から蘭へ向けられる。

６０：バレンタイン後５→←５８：バレンタイン後３

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す