19 くにみんの気持ち ページ20
国見side
話を持ちかけられた時、驚いた。
なんで、俺？
でも
こんなチャンス、見逃すわけにいかない。
すぐに飛びついた。
授業の間の休み時間。
眠い…
急に廊下が騒がしくなって少し目が覚める。
なんだ？
ガラッ
誰かがドアを開けた。
ざわつきが更に大きくなる。
自然と視線をドアへと向けると、騒ぎの張本人と目が合う。
零「あ、いたっ。くにみん」
当の本人は気にした様子も無く、来い来いと手招きしてくる。
国「どうかしたんですか？」
わざわざ一年のフロアまでやってきて。
零「そう、お願いがあってさ〜」
国「…なんですか？」
零「そんなに警戒しなくてもいいじゃん」
一見、近寄りがたそうだが、気取ってない話し方。
零さんも美結さんも、マネとして入った最初のうちは、後輩には特に自分から話しかけてくれたり、挨拶してくれた。
そんなとこから好きになった。
国「してないですよ。で、お願いってなんですか？」
零「私と仲良くしてほしいの」
国「は？」
唐突な発言に驚く。
別に冷たくした覚えはない。
そんなことするわけがないのだから。
零「あの二人、付き合ってるんじゃない？って思われるくらい仲良くしてほしいの。っていっても、帰り一緒に帰ったりとかでいいからさ」
国「はぁ」
ますます意味がわからない
零「とにかく、徹のファンに私と徹は付き合ってませんってアピールしとかないと、マジで最近そのテの質問がウザくてさ」
国「あぁ、なるほど」
ようやく趣旨が理解できた。
国「俺でいいんですか？」
零「うん。あ、でも、くにみんが良かったらでいいんだけど…」
良いに決まってる。
零「あ、もしかして彼女、いるとか？だったら彼女に悪いからいいよ」
国「いや、いません。俺もちょっと困ってたんでちょうど良かったです」
即答する。
迷っている間に、零さんが他の誰かに声をかけてしまうかもしれない。
金田一や矢巾さんにこの役を譲るわけにはいかない。
零「よかった。じゃあ今日から一緒に帰るってことで。ヨロシク」
じゃ、っと一年の注目を集めていることも気にしない様子で廊下を颯爽と歩き去っていった。
たとえカモフラージュの為だとしても、近づけるのなら構わない。
続く (更新停止中)
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作者名：朔夜 | 作成日時：2017年3月9日 23時
