BESTの妖物語参之巻 (ページ47)

今日:20 hit、昨日:5 hit、合計:17,765 hit

決意ページ47

side Daiki

鏡月さんの空間から神社へ戻る。
時間は既に進んでいて、セブンの3人がビックリしていた。

「ねぇ、桜知らない？」
「ちょっと1人になりたいって、あっちに行ったよ」

俺の疑問に返してくれた裕翔が教えてくれた通り、桜は神社の裏側にいた。
ベンチに腰掛けて、じっと空を見つめている。

「隣いい？」
「別に問題ないが」

お許しが出たので隣に座る。

何か言いたくて来たはずなのに、何を言えばいいかわからなくなってしまう。

「だから知らないでいて欲しかったんだ」

桜が突然口を開く。

「そうやって思い悩んで欲しくなかった。苦しまないように、ただの悪として倒して欲しかった」
「そんなの悲しすぎるよ。桜の大切な家族なのに……」
「だからこそだ。我も、何も知らないままの方が幸せだと思った。これまでは」

これまでは……？
今は違うの？

「我のような刀を仲間として迎え入れた。そんなお人好しのお前たちを見て、昔を思い出したんだ」

そう語る桜には、もうさっきまでの悲しみは感じられない。
むしろ、決意を感じる力強い目をしてる。

「どうしたらいいのかわからず、当時の我は何もできなかった。あいつと話してもなかった。……まだ何も行動してなかったんだ」
「桜……」
「さっきは心配させるような態度をとってすまない。しかし我は問題ない。あの時言えなかったことを全て言って、あいつの目を覚ましてやる」

桜の言葉に迷いはなかった。

桜たちを助けるために何ができるのかわからない。けど、俺たちが今できることならわかった。

「絶対助けるとか、不確定なことはあんまり言えない。だけど、絶対に黒炎の所まで俺たちが連れて行ってみせるから！」
「頼りにしてるぞ」

心配される前に戻ろう。
そう言った桜がブレスレットに戻る。

桜だって覚悟を決めてるんだ。
俺も弱気になってられない！