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氷雨が動きを止めた……?
まさかの展開に、思わず氷雨を見つめる。
「大ちゃん! 今のうちに宝玉を」
「……わかった!」
けどすぐに、薮ちゃんの声で我に返った。
氷雨に何があったか知らないけど、今がチャンス。
この隙に、懐から3つの宝玉を奪い取る。
「しまった……」
「薮ちゃん、取り戻したよ」
「よし。撤退するぞ!」
「悔しい……よくも、許サナイ!!」
ついに、氷雨が本気で怒った。
背中から黒い影の触手のようなものが十数本程現れる。
そして、その触手が俺に向かって襲いかかってきた。
けど、俺は宝玉を抱えてるせいで、刀を持って防ぐことができない。
「ヤバいっ!」
「こうなったら……」
薮ちゃんが俺の前に立って、大鎌を召喚する。
大鎌でどんどん切り刻んでいくけど、氷雨は痛覚がないのかと思うぐらい攻撃の手が止まらない。
「こうなったら……。大ちゃん、宝玉を俺の前で投げろ!」
「急にどうしたの?」
「氷雨の触手と一緒に斬る」
「ええっ!」
まさかの言葉に驚くけど、すぐにその意味を理解する。
ここまで本気の氷雨は初めてだ。
安全な場所まで逃げてから壊してたら、確実に時間がかかりすぎてしまう。
みんなのことを考えても、戦闘と同時に壊せるなら壊してしまった方がいい。
「わかった。行くよ!」
薮ちゃんの前で宝玉を投げる。
そして、薮ちゃんが大鎌を振った。
「壊れろー!」
大鎌から、強い風の刃が飛ぶ。
そして、宝玉が真っ二つに切れた。
「やった!」
「よかった。……思った以上に、力使ったかも」
大鎌が消え、薮ちゃんが俺に寄りかかる。
そうだ。大鎌を使ったから、しばらく動けないんだった。
しかもこんなに早く時間切れになったってことは、あの宝玉は相当な力がないと壊せない硬さってこと。
薮ちゃんの判断は正解みたいだ。
「薮ちゃん大丈夫?」
「ごめん。動けない。俺の事は運べれるか?」
「それぐらいできるよ」
「氷雨は触手を全て切られて動揺してる。今のうちに逃げるぞ」
「わかった」
薮ちゃんを背負い、氷雨を確認する。
あいつはまた動きを止めている。
「桜、撤退するよ!!!!!」
炎鬼と戦っている桜に向けて叫ぶ。
みんなが無事なことを信じて、さっき来た道を戻りだした。
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作者名:あやか | 作成日時:2022年7月10日 1時