僕、憑かれました。その2 (ページ9)

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「本当にこんな感じで大丈夫なの？」
「はい！」

俺の疑問に中島くんが大きく頷いた。

数日後の放課後。
あの言葉が気になった俺は髙木と一緒に中島くんの被写体になってる。

まぁモデルさんみたいにポーズ決めたりするんじゃなくて、髙木といつも通り話してるのを中島くんが撮っているという感じだ。

中島くんのあの言葉……。
そもそも本当に大ちゃんのことを言ってたのかもわからないけど、あんなこと言われた以上警戒するに越したことはない。
大ちゃんの様子をちゃんと見ておかないと。

だけど、当の本人は中島くんに近づくのはキツイらしい。
幽霊にとって苦手なタイプとかあるし、中島くんもそのタイプなんだと思う。
なので光について来てもらった。

光に大ちゃんを見てもらって、俺は中島くんを警戒。
これが俺にできる最大限の対策。

「これで大丈夫です。ありがとうございました！」

そう考えていたら、いつの間にか撮影はおしまい。

確か髙木はこれからバイトだっけ？

「髙木これからバイトだよね？」
「うん。伊野尾くんは？」
「あ、伊野尾先輩はちょっと別件でお話があるんですがいいでしょうか」
「……わかった。じゃあ髙木、また明日ね」
「じゃあね」

髙木が教室から出る。

俺は中島くんと2人っきり。
正確には、教室の窓から見える木の影に光と大ちゃんが隠れてる。

「伊野尾先輩表情固いですよ。髙木先輩の部分しか使えないじゃないですか」
「妥協したくないのに、髙木の部分だけでいいんだ」
「いや、その……。嘘は付いてませんよ。人物写真じゃなくてもよかっただけで。おふたりの写真を撮りたかったのも事実ですし」
「……俺の言いたいことわかるよね？」
「はい。あのことに関して全部話します。なので場所を移動しませんか？ちゃんとした人に説明してもらった方が信じやすいと思うので」

ちゃんとした人がどんな人か知らないけど、そっちの方が納得しやすい。

木の影からチラチラこっちの様子を伺う光に目で合図をして、中島くんの提案に乗ることにした。