◆ ページ20
・
「俺がいるじゃん」
俺の言葉に、大ちゃんが驚いたようにこちらを見る。
「大ちゃんが忘れても俺が覚えてる」
「覚えててもなんも変わらないよ」
「……誰でもいいから、こんな人生を変えてほしい」
「それって」
「やっぱり覚えてる? 大ちゃんがこの言葉に反応してくれたから、今こうやって楽しくやれてる」
大ちゃんのおかげで、俺は変われた。
「だから次はこっちの番。覚えてなくても会いに行って、大ちゃんの寂しさを変えてみせる」
「なにそれ。無意識だったけど、約束果たしに来たんだよ。それなのにまた助けてもらうなんて……」
涙が止まり、大ちゃんはクスリと笑う。
「ならまた何かあった時に手を貸してよ。貸し借り関係なしで助け合うぐらいがちょうどいいと思うよ?」
友達ってそういうもの……だと思うから。
「だからお互い帰る場所に帰ろう。そして、また会って1から友達になろ?」
俺は立ち上がり、大ちゃんに向けて手を伸ばす。
「めんどくさくなったりしない?」
「しないよ。どこにいたって探し出す」
「じゃあ、早く帰って待ってなきゃだね」
大ちゃんも俺の手を掴み、立ち上がる。
そして、俺たちはそれぞれの帰る場所へと歩き出した。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
90人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あやか | 作成日時:2021年10月16日 20時