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「俺がいるじゃん」



俺の言葉に、大ちゃんが驚いたようにこちらを見る。



「大ちゃんが忘れても俺が覚えてる」
「覚えててもなんも変わらないよ」


「……誰でもいいから、こんな人生を変えてほしい」
「それって」
「やっぱり覚えてる? 大ちゃんがこの言葉に反応してくれたから、今こうやって楽しくやれてる」



大ちゃんのおかげで、俺は変われた。



「だから次はこっちの番。覚えてなくても会いに行って、大ちゃんの寂しさを変えてみせる」
「なにそれ。無意識だったけど、約束果たしに来たんだよ。それなのにまた助けてもらうなんて……」



涙が止まり、大ちゃんはクスリと笑う。



「ならまた何かあった時に手を貸してよ。貸し借り関係なしで助け合うぐらいがちょうどいいと思うよ?」



友達ってそういうもの……だと思うから。



「だからお互い帰る場所に帰ろう。そして、また会って1から友達になろ?」



俺は立ち上がり、大ちゃんに向けて手を伸ばす。



「めんどくさくなったりしない?」
「しないよ。どこにいたって探し出す」
「じゃあ、早く帰って待ってなきゃだね」



大ちゃんも俺の手を掴み、立ち上がる。


そして、俺たちはそれぞれの帰る場所へと歩き出した。

憑かれにきました。→←◆


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作者名:あやか | 作成日時:2021年10月16日 20時

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