僕、憑かれました。その2 (ページ18)

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◆ ページ18

side kei

……思い出した。
大ちゃんとの出会い、なんで忘れてたんだろう。

「幼い頃なんてそんなものだよ」

山田さんが心を読んだかのように優しく声をかけてくれた。

「それでどうする？急ぎではあるけど、少しは待つ余裕はある」
「探します。いつ帰ってくるかわからないですし」

俺に聞いてくる山田さんに自分の意思を伝える。
すると、山田さんは頷いて小さな紙切れを渡してきた。

「俺の電話番号を書いてる。覚悟が決まったら、連絡して」
「わかりました！」

山田さんに軽くお辞儀をしながら、俺は先程通ってきた道を戻った。

ある程度戻ってきて数時間。
探すと言ったけど、どこに行ったか全然わからない。

歩き疲れて立ち止まっていると、携帯の音が鳴り響いた。

「もしもし」
『もしもし。伊野ちゃん、僕だけど』

画面を見ると知念の文字。
出ると、若干不安げな声が聞こえた。

「どうかした？」
『その……バカみたいって思うかもしれないけど』
「なに？」
『ひかが、伊野ちゃんに伝えてって』
「…………はい？」

知念の話によると、たまたま公園にいたら、誰もいないのに砂場に大ちゃんの居場所を伝えるメッセージが書かれていたらしい。
わけわからない伝え方するなよ。

でも……

「知念ありがとう。光にも伝えといて」
『え、でも……』
「光のことだから、目の前でちゃんと伝わってるか見てるでしょ」
『確かに。わかった』

光と知念の連絡を頼りに、俺は走り出した。

そして……

「大ちゃん!!」

やっと、大ちゃんを見つけた。