僕、憑かれました。その2 (ページ11)

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◆ ページ11

side Kei

街の外れ。
どちらかというと、森の中。

「はぁ……はぁ……」
「ごめんなさい。自転車で登下校する距離なんで」

息を切らす俺に、自転車を押しながら謝る中島くん。

それでも息を切らさないのは、普通の人ではないのか、単純に体力があるからなのか……

「着きました。ここです」

中島くんの声で顔を上げると、そこには和風建築のお屋敷。

「中島くんってけっこうお金持ちの人？」
「違いますよ。ここでお世話になってるだけです」
「お世話に？」

居候させてもらってるってこと？

それだけには思えないけどな。

「入口はこっちです。霊除けの結界を張ってあるので、ここからは俺たちだけで行きましょう」

中島くんが屋敷の門を指しながら忠告する。
そんな彼の目は確実に大ちゃんと光を見ている。

「なんかこの家変な感じだね」

大ちゃんが呟いた言葉から、本当に幽霊が近寄らないようになってることがなんとなくわかる。

「やっぱり見えるの？」
「はい。先輩のうしろにいる2人のような存在のことなら」

やっぱり、中島くんは俺と同じで見える人だ。

立ち話もなんだからと中島くんが屋敷に入ることを進めるので、大ちゃんと光を残して入る。

応接間らしき場所に案内されて入ると、既に誰かがお茶を飲みながら待っていた。

その誰かはこの屋敷に似合わずピアスをつけながらも、綺麗な着物を着こなす美人さん。

「こんにちは。霊に魅入られたお客さん」

その人は俺を見るなり、そう言って微笑んだ。