検索窓
今日:12 hit、昨日:27 hit、合計:4,774 hit

ページ6



誰かが俺を揺すっている。
目を覚ますと……確か、八乙女さん。



「おーい。平気か?」
「一応。……ファンシーだ」
「まぁ、おとぎ話っぽくていいだろ?」



辺りを見渡すと見えるのはファンシーな空間。
クラスの女子がよく言う、夢かわってやつ?

地面は雲、空には虹、それと無数の扉。
八乙女さんの言う通り、おとぎ話の世界に来たと言われても、普通に信じてしまいそうだ。



「夢のロビーへようこそ! 扉には勝手に入るなよ。誰かの夢に繋がってるからな」
「ロビー? 誰かの夢?」



よくわからないことばかり言う八乙女さん。
さっきから何を言っているんだろうか……。


疑いの目でじっと見つめていると、どこかの扉が開く音がした。
条件反射で音のした方を見る。



「ふわぁ……」
「やっと来たな。お客さんだぞー伊野ちゃん」

「伊野ちゃん……?」



隣にいる八乙女さんにも聞こえない
ぐらい小さな声で呟く。


それでも伝わったのかな……?
目を見開いた伊野ちゃんが、俺の方を向く。

そして、俺の元へ駆けつけて、抱きしめてくれた。


伊野ちゃんだ……。
触れ合うだけで本物だと実感して涙が出そうになる。
それと同時に、いつもの温もりを感じられなくて、本当に夢なのかもって納得してしまう。



「なんで、大ちゃんが……?」
「探すの大変だったんだぜ。俺は店の手伝いに戻るから、説明よろしくな」
「えっ、説明なしで連れてきたの!?」
「まぁ本人の説明の方がわかりやすいだろ」



それじゃあと手を振りながら、八乙女さんは消えていく。
それを見た伊野ちゃんが一瞬、羨ましそうに八乙女さんがいた場所を見つめた。



「伊野ちゃん教えて。ここは? なんで消えちゃったの?」
「大ちゃんは覚えてるんだね」
「あたりまえだよ。ずっと、ずーっと会いたかったんだよ!」
「そっか。……ごめんね。それと、ありがとう」



こっちこそありがとう。
伊野ちゃんとまた会えた事実、それだけで俺は充分幸せだから。

◆→←◆


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーJUMP

中島裕翔


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (16 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
68人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あやか | 作成日時:2024年2月4日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。