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伊野ちゃんが悪夢から俺を救ってくれたあの夢から3日後。
再会したといっても、それは夢の中。
現実は、何も変わらない。
俺の願望が生み出した、ただの幻だ。
放課後。
さっさと帰ろうとしたら、先を歩いてる学生が校門前でチラチラ何かを見ている。
「……え?」
みんなの視線の方を見ると、そこには他校の制服を着た男子生徒。
しかも派手な髪色。
茶髪とか金髪とかじゃないよ。
あんな髪色した人、俺初めて見たよ。
……まぁ、俺には関係ないか。
さっさと通り過ぎて帰ろう。
そう思って目を逸らす直前、彼と目が合ってしまった。
どんどん俺に近づいてくる彼。
そしてついに、彼は俺の腕を掴んだ。
「有岡大貴?」
「えっと、そうですけど」
「俺、八乙女光な。さっそくだけど来て」
「ちょっと、ええっ!」
力が強い彼に抵抗することもできず、みんなの注目を集めながら、彼について行くことになってしまった。
しばらく歩いた後、とある喫茶店にたどり着いた。
確か、ホットケーキが美味しいお店だっけ?
前に行った気がする。
「いらっしゃい、ひか。そっちは誰?」
「アイツの例の相手。知念、店長はいないのか?」
「買い出し。飲み物程度なら出せるけど」
「じゃあ眠れるやつ。この子に出して」
「ちょっと、眠れるやつとかなにするんですか?」
勇気を出して彼の手を振り払い尋ねる。
すると、知念と呼ばれた店員さんは八乙女さんを軽く睨んだ。
「何も話してないの?」
「説明苦手だし、あっちに行ってからアイツに説明させようかと」
「警戒させすぎ。飲み物程度でどうにもならない。どうやって寝かせるつもり?」
「ダメそう?」
「確実に」
さっきから寝かせるとかなんとか、なにするつもり?
まさか、人身売買とか!?
これ、なんとか逃げられないだろうか……。
「確か、侵食されてた子だよね」
「だったはず」
「疲れるからあの方法は使いたくないんだけど」
「頼むよ。まかないに好きなもの作ってやるから」
今なら逃げれる?
そっと店から出られれば、いけるかも。
「勝手に逃げちゃダメだよ」
さっきまで話してたはずの知念さんが、突然目の前に現れた。
そして、彼の手で俺の両目が覆われる。
「おやすみ。そして、夢の世界へ行ってらっしゃい」
あれ?
なんか……急に……眠気が……
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作者名:あやか | 作成日時:2024年2月4日 19時