夢だけど夢じゃない ページ4
side Daiki
昼休み。
急いでお弁当を持って、屋上へ向かう。
「やっと来た〜」
「遅れてごめんね、伊野ちゃん」
伊野ちゃんこと伊野尾慧。
俺の1個上の先輩で、学校のみんなには内緒で付き合ってたりする。
「もうダメ。なんか甘いものない?」
「今日は……クッキーだよ!」
「ありがとう。ごはん食べたら、すぐに糖分補給しなくちゃ」
伊野ちゃんは定期的に糖分補給しなくちゃいけない体質。
ある日、お菓子を忘れて困ってた伊野ちゃんが、普段からお菓子を持ってる俺に話しかけてきた。
それが出会いのキッカケ。
体質的に大変なのはわかってる。
だけど、そのおかげで人気者の伊野ちゃんと付き合えたんだ。
不謹慎だけど、ちょっとだけ感謝してる。
「え、なにこれ!?」
「ステンドグラスクッキー? らしいよ。キャンディーを砕いて、クッキーと一緒に焼いてるらしい」
「らしいってなにさ」
「俺、作り方とか詳しくないから」
俺の言葉に笑いながら、伊野ちゃんがクッキーを空にかざす。
青いキャンディーの部分が太陽の光に当たって、本当にステンドグラスみたいに輝いてる。
「お店で見た時に、これだって思ったんだよね。伊野ちゃんの色だって」
「俺、青色?」
「伊野ちゃんは青だなって。やっぱり伊野ちゃんにピッタリ」
「それは嬉しいな。いただきまーす」
「あ、俺にも1枚ちょうだい」
暖かな太陽の光の下で過ごす幸せな時間。
伊野ちゃんが消えた3日前。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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作者名:あやか | 作成日時:2024年2月4日 19時