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目が覚めたら、また学校。
きっと、あの悪夢の続きだ。
「____!」
「__!!」
なんか、周りのクラスメイトが俺を見てる?
相変わらず声は聴こえないけど、俺に向けてなにか叫んでる気がする。
……いや、怒鳴ってる?
「なんだよ。怖いだろ」
「____!!」
「やめて……」
俺の声以外の音はまったくないのに、クラス全員で責め立てられてるような気分。
もうやだよ。怖いよ。
「もうみんな消えてよ……」
そう呟いた瞬間、クラスメイトがどんどんシャボン玉に変わっていく。
なんで?
1人も触れてないのに。
本当に消えちゃった……。
「ごめっ、ごめんなさい。本気で思ってたわけじゃ……」
何も聴こえない。
元からだけど。
さっき以上に静寂に包まれた教室。
力が抜けてしまって、床に
次の瞬間、教室そのものがシャボン玉へと姿を変えた。
うそ、建物まで消えちゃった。
視界は空の青に染まって、重力に従って下へと落ちる。
あぁ、これで終わっちゃうんだ。
夢の中のはずなのに、そう思い込んでしまい目をつむる。
けど突然、俺の身体は落下を止める。
目を開けると、やけにファンシーな傘を指した男が、俺の身体を抱きかかえていた。
「すごい悪夢だねぇ。ごちそうだよ」
「うそ、夢……?」
「夢ではあるけど事実だよ」
やっぱり……聞き間違えでも幻聴でもなかった。
存在ごと突然消えてから、ずっとずっと探してた彼。
「え、あの……どういうこと?」
「とりあえず、ちょっと待ってて。食事にするから」
彼が、俺を近くに浮かんでた雲に座らせる。
さすが夢というべきか、ふわふわして座り心地はとてもいい。
「じゃあ、いただきます」
彼の手のひらの上にブラックホールでもあるみたいに、周囲の景色が吸い込まれていく。
そして最終的に、空みたいに綺麗な小さな青い球体が現れた。
その球体を当然のように口に放り込む彼。
キャンディのようにコロコロと音を立てて味わってる彼に話を聞きたくて立ち上がる。
すると、白い光が視界いっぱいに広がっていく。
多分、夢が覚める。
これじゃあ、彼に何も聞けない。
「大丈夫だよ」
「やだっ。覚めたくない!」
「また夢で会おうね」
「消えないで…………伊野ちゃん!!」
夢は、伊野ちゃんごと消えていった。
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作者名:あやか | 作成日時:2024年2月4日 19時