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「また負けちゃったな〜。大ちゃんは相変わらずゲームが上手いね」
「……こんなことしてていいのかな?」
「原因を探さなくちゃいけないからね。こうやって楽しみながら、ひとつずつ確認していくのが1番堅実なんだよ」



コロッケを食べながら、さっきまでいたゲームセンターでのことを思い返す伊野ちゃん。
なんか、危機感なさすぎる気がするのは俺だけ?

少なくとも俺は、コロッケを食べる余裕なんてないよ。



「このコロッケ美味しい。こんなに美味しいなら、教えてもらってすぐに食べに行けばよかった」
「食べなかったのかよ。気に入ると思って教えたのにさ」
「拗ねないでよ。俺だって事情があるの」



事情ってなんだ?
もしかして、その時には自分の存在が不安定だったりするのかな……。
そんなわけないか。

お肉屋さん教えたのはまだ付き合う前だよ。
いつでも食べるタイミングあったでしょ。



「お菓子のお店も、大ちゃんの想像力の問題で品数が少ないこと以外問題はなかったし……」
「ハッキリ言うなよ。恥ずかしい」
「歩き疲れたし、喫茶店行こっか」
「えぇ……。自由すぎ」



ため息をついている間にも、さっさと伊野ちゃんは歩いてきた道を引き返していった。

◆→←◆


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作者名:あやか | 作成日時:2024年2月4日 19時

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