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目を開けると見慣れた風景。
帰りに通る商店街。
知念と長話をしたからか、もう暗くなり始めてる。

早く帰らなくちゃ。
帰ってからのことを考えながら歩いていく。


たまにコロッケを買い食いしてるお肉屋さん。
昔、家族に連れて行ってもらったおもちゃ屋さん。
安くてたくさん買えるお菓子のお店。
伊野ちゃんと一緒に遊んだゲームセンター。


商店街を抜けて、少し歩けば家に到着。
そう、それがいつもの帰り道。



「……あれ?」



視界に入ったのは、さっきまでいたはずの喫茶店。
知念のいたあの店を出てから、しばらく経ってるはずなのに。

気のせい……。
たぶん、気のせいだ…………。

少しづつ歩くペースが上がり、段々と走り出す。


たまにコロッケを買い食いしてるお肉屋さん。
昔、家族に連れて行ってもらったおもちゃ屋さん。
安くてたくさん買えるお菓子のお店。
伊野ちゃんと一緒に遊んだゲームセンター。


……そして喫茶店。



「これ、悪夢?」



ほっぺを引っ張っても痛くない。
少なくとも、ここは夢みたいだ。


伊野ちゃん……。
いや、俺の夢だけに毎回構っていられるわけじゃない。

それに、悪夢と決まったわけじゃない。

もう少しだけ、歩いてみよう。
お風呂入った記憶もないし、うたた寝しちゃっただけかもしれない。

起きるまで耐えればなんとかなる。
そう信じて、また足を動かした。





たまにコロッケを買い食いしてるお肉屋さん。
昔、家族に連れて行ってもらったおもちゃ屋さん。
安くてたくさん買えるお菓子のお店。
伊野ちゃんと一緒に遊んだゲームセンター。
そして、喫茶店。





__お肉屋さん、おもちゃ屋さん、お菓子のお店にゲームセンター。
そして、喫茶店__。





__





___





____





どれだけ走ってもループは終わらない。
足が限界を迎えて止まる。

自分がおかしくなってしまいそうで、早く目をさませと叫んだ。

◆→←◆


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作者名:あやか | 作成日時:2024年2月4日 19時

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