夢と現実の狭間で生きる (ページ1)

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夢にも現実にも君はいないページ1

side Daiki

チャイムが鳴る。
帰りのHRもそこそこに、クラスメイトがカバンを持って外へ飛び出す。

「＿＿＿」

前の席のクラスメイトが手を出す。
どうやらシャーペンの芯を買い忘れたようだ。

軽く頷いて、芯が入ってる筆箱を開けようとした。
しかし……

「え、なに、これ……」

触れた瞬間、筆箱はシャボン玉に姿を変え、高く飛んでいく。

混乱しながらも、何とかしようと頭を回す。

そうだ、筆箱から出したままのシャーペンがあるはず。
それを貸そう。
今度は、シャーペンへと手を伸ばす。

そのシャーペンは、またシャボン玉になって消えてしまった。

前の席のクラスメイトはもちろん、この様子を見ていた他のクラスメイト、廊下にいた生徒までざわつき始める。

これは何かの間違いだ。
そう思って、説明しようと目の前にいるクラスメイトに肩を触れてしまった。

そして、クラスメイトもシャボン玉に……

「＿＿＿＿」
「ちがっ、わざとじゃない」
「＿＿＿」
「……俺の、せい？」

なんでみんな消えちゃうの？
俺はこんなこと望んでないのに。

まさか、彼が消えたのも、俺の……？

「おはよう。夢から覚める時間だよ」

耳元で、消えたはずの彼の声が聴こえた。