僕、憑かれました。 (ページ9)

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◆ ページ9

「ここか……」

髙木に教えてもらい、ちょっと遠くの美容院にやって来た。
いつも利用している近所の床屋さんと違って、すごくオシャレだ。

「伊野ちゃん大丈夫？」
「慣れないからちょっとね」
「やっぱり俺らもついて行こうか？」
「大丈夫だから。他の幽霊たちよろしくね」

慣れない美容院では他の幽霊たちに気を回せないので、大ちゃんと一緒に外で待っててもらい、美容院に入った。

「いらっしゃいませ」
「あの、予約してた伊野尾です」
「はい、こちらにどうぞ。……本日はいかがなさいますか？」

ヤバい。具体的なこと考えてなかった。髪とか染めようかな〜程度しか考えてない。

「え、えと…おまかせで」
「かしこまりました」

・

「○○円のお返しでございます。ありがとうございました」
「ありがとうございます」

遂に染めてしまった。茶髪に。
髪型もガラッと変えたからか緊張する。
美容師さんがやったんだから大丈夫だろうけど、似合ってる気がしない。

「伊野ちゃんおつかれー！」

美容院を出た俺に気づいた大ちゃんが、俺に向かって手を振る。

「おぉ！伊野ちゃん似合ってるよ。」
「お世辞はいいよ。あとは確か…」
「コンタクト。眼鏡キャラを卒業するよ！」

新しい髪型だけでも緊張するのに、コンタクトまで。
月曜日が来るのが怖いよ…。