僕、憑かれました。 (ページ6)

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次の日
いつものように、幽霊に囲まれて起床。
そして朝食と準備をして学校へと向かった。
けど……

「…………」
「伊野尾くーん」
「ほわっ！ ……って髙木か。ビックリした」
「ごめんごめん。それにしても、伊野尾くん今日なにかあった？」
「なんで？」
「いつもと違って顔色いいっていうか、調子よさそうだからさ」
「まぁ、今日はなんでか身体が軽いんだよね」

そう。今日は身体がとても軽いのだ。しかも、家では見かけたたくさんの幽霊たちは見当たらず、今俺に憑いているのはあいつぐらいしかいない。

一体、どうしたんだろう？

・

授業後、家に帰ると幽霊たちがわらわらと俺の元にやってくる。

「おい！急に来るなよ」
「仕方ないよ。みんな我慢してるんだから」
「我慢……幽霊が？」

幽霊に我慢なんて言葉があるのか？

「俺たちが取り憑くと伊野ちゃんが疲れるなんて知らなかったんだ。だから昨日話し合ったんだよね。せめて学校にいる間は取り憑くのやめようって。だから一応変な幽霊さんに憑かれないようにってことで用心棒に選ばれた俺以外の幽霊は家にいたんだ」
「え……」
「俺たちみんな伊野ちゃんが大好きだから、元気になってくれるなら少しは我慢しようって話になったんだ」
「…………」

幽霊が人間を心配するのか？
いやいや、取り憑く先がいなくなったら困るだけだ。気を許したらダメ。
だけど……

「ありがと……」

そう言うと、こころなしか幽霊たちが嬉しそうにしてた。

「みんなどういたしましてって言ってる。もちろん、俺もそう思ってるよ」

人間の言うことなんか聞かないと思ってたけど、話せばわかってくれるんだな……。

まぁ、心を許すつもりはないけど。