僕、憑かれました。 (ページ49)

今日:9 hit、昨日:24 hit、合計:33,801 hit

◆ ページ49

「おい、知念になにやってんだよ」

奴らに向かって言い放つ。
そしてアイツらと一緒にいた知念を引っ張り、校門を出るまで走る。

「痛いから止まって！」

腕を強く掴んでたみたいだ。
知念の言葉が耳に入り、やっと俺の足は止まった。

この間のテストが悪く、再テストを受けることになった俺は知念を長い間待たせることになった。

どこで待ってるのか聞きそびれたので学校中を探しまわってたら、声が聞こえた。

数人の男子の笑い声とそれとは別の苦しそうなうめき声。

この声……まさか！

嫌な予感がして、声を頼りに走って向かう。

……そこには、見覚えのある奴らに殴られてる知念がいた。

「……なんで黙ってたんだよ」

公園のベンチで水筒に残ってたお茶を飲みながら、知念に尋ねる。

「迷惑かけたくなかった」
「黙ってボコボコにされてる方が迷惑だから」
「ごめん」

知念が申し訳なさそうに呟く。
そんな顔をさせたいわけじゃないんだけどな……。

「今度アイツらになんかされそうになったらすぐに俺に言えよ」
「けど……」
「俺ら友達だろ？だったら助け合うのは当然！だから、アイツらに負けるな」
「……ありがとう」

そう知念が嬉しそうに笑った。

それから、知念がなにかされそうになったらすぐに向かって助けに行った。

それがよかったのか、段々と知念への嫌がらせが減っていった。
やっと終わったって俺たちは喜んで、ジュースやお菓子を持ち寄って軽いパーティーみたいなことをして楽しんだ。

これで終わってたら本当によかったのにな……