僕、憑かれました。 (ページ46)

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◆ ページ46

薮の部活が終わるのを待つ間、知念くんとだいぶ仲良くなれた、と思う。

「へぇ……。宏太って昔はそんなだったんだ」
「そうそう。優等生に見えてたまにすごく悪い顔をする時があってさ」
「ふふっ。伊野ちゃんってけっこう面白いね」
「本当？ありがとう」

最初の警戒した顔はどこへやら。
可愛らしい笑顔で話す彼からは、どこも問題はなさそうに見える。

「伊野ちゃんってさ、けっこう可愛いし人気あるんじゃない？」
「全然だよ」
「嘘だ。女友達とかいっぱいいそう」
「学校でまともに話せるやつなんて1人だよ。それも男」

話す人といえば、薮とか髙木とか。
あとは幽霊のみんな……

「そうだ、光だ！」

光との関係を調べに来たんだった！
目的を思い出して、つい声が出てしまう。

けど、今からどうやって聞くべきだろうか。

「ひ……か？今、光って言った？」

その声に反応して隣を見ると、さっきと打って変わって青ざめた顔の知念くん。

「知り合い……いや、たまたま……でも」
「知念くん？大丈夫？」

「あれ？知念に……伊野尾まで、どうしたんだよ」

タイミングが良いのか悪いのか。
どっちなのかはわからないけど、部活が終わったのか薮が校門から出てきた。

「薮、知念くんが……」
「大丈夫です。それじゃあ」

そう言って知念くんは小走りで学校から離れてしまう。

なにかわかるどころか、今の状況がわからずに俺と薮は顔を見合わせるしかなかった。