僕、憑かれました。 (ページ5)

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◆ ページ5

授業が終わり、昼休憩になった。
いつも通り髙木と一緒に昼食を食べた。

「伊野尾くん、このあとどうする？」
「……俺、ちょっと予定が」
「そっか。俺先生に呼ばれてたから、またね」
「じゃあ5時間目にね」

髙木が去り、誰もいないのを確認して後ろを振り向きあいつを睨む。

「お前……」
「ごめん、やりすぎた」
「…………」

てへっ。と効果音が付きそうな顔で言うあいつ。
正直ムカつく。

「あのさ……」

できるだけ低い声で言うと、あいつはビクリと怯える。

「お前ら幽霊が取り憑いてるせいでただでさえ疲れて勉強しずらいのに、授業の邪魔をするなよ！」
「……ごめん」

あいつだけでなく、俺に憑く他の幽霊たちも悲しそうな顔をしている気がするが気にせずに続ける。

「これ以上俺の邪魔をするならお寺でお祓いしてもらうからな」
「はーい」

あいつの反省した声が聞こえたので、暇だし図書室へと向かった。

・

授業が終わり、家に帰ってきた。
あいつは他の幽霊たちと部屋の隅で会議をしているらしい。

最近知ったことだが幽霊同士なら会話が可能なようだ。俺と会話できるのは取り憑いてる幽霊の中では霊力の高いあいつぐらいだけど……。

まぁ、数メートルだけど幽霊たちが会議のために離れてくれるので少し楽だ。
そう思いながら僕は課題をしていた。

その日、幽霊たちの会議はいつの間にか世間話になって盛り上がったため、比較的ゆっくりすることができた。