僕、憑かれました。 (ページ39)

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◆ ページ39

side Kei

誰かが俺を揺すっている。

ふと目を開けると、髙木がおはようと俺に言ってきた。

「おはよ」
「朝ごはんできてるよ……まぁまた光くんに憑依されてたんだろうけど」
「またか」

俺が寝ていたのは寝室ではなくリビングのソファー。
テーブルの上には味噌汁といくつかのおかず。

髙木の言う通り、完全に光だな。
……まぁ朝どうするか悩んでたしいいか。

そんなことを考えながら、既に準備し始めている薮を手伝った後、食事を始める。

「薮は朝食食べたらもう駅だっけ？」
「あぁ。朝スマホ見たら部活の方で急な用事ができてさ」
「もう少しゆっくりしてていいのにさ」

薮の言葉に家主でもないくせにもう少し滞在させようとする髙木。

「駅までなら送るよ」
「俺も行く！」
「ありがとな」

朝食を食べた後、談笑しながら準備して家を出た。

・

学校よりもちょっと歩くと、目的地の駅が見えてきた。

「それじゃあな」
「またね」
「連絡するからね！」

俺に続いて薮に手を振る髙木。
トークアプリでIDを教えあったらしく、とても嬉しそうにしてる。

改札口を通って電車のホームに向かう薮を見送ってると、うしろから軽い衝撃を感じる。

「あ、ごめんなさい」
「大丈夫です。こっちこそすいません」

「……あれ、薮くんと同じ制服だ」

どうやら前方不注意で俺にぶつかってしまったようだ。

髙木の言う通り薮と同じ制服の彼は、大ちゃんよりも少し小さい。
あいつの通う学校ってまあまあレベル高めだったよな。
つまり、彼も薮と同じ頭のいい優等生なのかな？

まぁいっか。

「髙木どうする？」
「海行きたいな……」
「まだ早いだろ」
「うーん。じゃあ近くの本屋でも行く？欲しかったマンガ、今日発売なんだよね」
「仕方ないな」

お泊まり会をして、たわいのない話をして、
一緒に本屋に行って……

これまでの俺じゃあ想像つかないな。

この週末本当に楽しかった!!

みんな楽しい週末になった。
……彼以外は

「なんでこっちに来てるんだよ……知念」