僕、憑かれました。 (ページ28)

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仲直りしました。ページ28

side Kei

数年経ってるけど、間違いない。
薮、ここに通っていたのか。

きっと部活動中なんだろう。サッカーボールを他のみんなと楽しく蹴っている。

怪我の後遺症なども無さそうで安心した。

「みんなこれを教えるために？」

幽霊のみんなはなんとなく嬉しそう。おそらくその通りなんだな。
そう思いながら薮を見ていると……。

……！

薮と目が合った。

それと同時に部活が終了したらしく、薮は急ぎ足で校舎に戻っていく。

もしかして気づいた？
今更あいつに合わせる顔とかないし！
薮が来る前に帰らないと……。

そう思っても、みんなが体にしがみついて帰らせてくれない。

「諦めてあいつが来るのを待てばいいじゃん」

助けてほしくて光に視線を送るけど、こう言われてしまった。

なんでみんな帰らせてくれないのさ！

「伊野ちゃん、ちゃんと向き合おう」

みんなと一緒にしがみつく大ちゃんがはっきりと言った。

「このまま薮さんと話せなくていいの？また仲良くなりたくないの？」

その言葉を聞いて僕の動きが止まる。

髙木も言ってたな、向き合うべきだって。
せっかくみんなが探してくれたんだ。俺もちゃんと薮と話さないと。

「伊野尾……だよな」

ふと後ろから声が聞こえる。
振り向いたら、制服姿の薮がいた。

「薮……久しぶり」
「久しぶりだな。何年ぶりだったっけ？」
「5年は経ったんじゃないかな」
「そっか」

「「…………」」

久々に会うからか、たんに俺が緊張してるだけだからか、話が続かない。

「おまえさ、今金ある？」
「ふぁっ!?」
「相変わらずだな、その反応。立ち話もあれだしお腹減ったから近くの飯屋で話そうぜ」
「……うん」

なんだ、いきなりお金のこと聞かれたから焦った。

でもごはんに誘ってくれるってことは、俺と話してもいいってことだよね？