僕、憑かれました。 (ページ21)

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嫌いになりました。ページ21

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慧がまだ幼かった頃。

「おはよう、みんな」
『ねぇねぇ』
『遊ぼうよ！』
「ごめんね。これから学校なんだ」

当時の彼は幽霊達と仲が良く、本人の霊力の量関係なく幽霊と会話できるほどの力を持っていた。

そのため、慧の周りにはいつも幽霊が何人か取り憑いていた。
ちょっと疲れるけど、いつでも話せる友だちのような感じで慧自身は問題がなかった。

しかし、当時このことが普通じゃないことだと知らなかった慧はクラスメートにこのことを話してしまう。
それにより、慧はクラスで孤立した存在になってしまった。

しかし、慧は気にしなかった。
だって彼にはたくさんの幽霊達と……

「伊野尾、今日遊ぼう」
「薮！うん。行こう」

唯一の人間の友だち、宏太がいたから。

・

きっかけはある日の授業。
ペアにならなきゃいけない場面で、慧は困っていた。
クラスメートから嫌われていた慧とペアを組む人は当然いなかった。

彼を除いて……

「なぁ、伊野尾」
「えっと……」
「薮宏太。クラスメートなんだから名前ぐらい覚えろよ」
「ごめん。で、なに？」
「いつもいるやつと組もうと思ってたんだけど、3人組だから俺が余っちゃってさ。一緒にやらない？」

「おい、伊野尾と組まない方がいいぞ」
「変なのが見えるらしいぜ。おかしいよな」

クラスの奴らが言ってくる。
いつもの展開だ、そう慧は諦めていた。

しかし……

「それがなに？それで伊野尾がお前達になにをした？」
「いや、だって……」
「なにもないのに、とやかく言ってくるお前達の方がおかしいよ」

これが、慧の初めての友達ができた瞬間だった。