僕、憑かれました。 (ページ18)

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◆ ページ18

「え？友達だと思ってなかったの？悲しい」

どうやら俺の心の声が口に出てしまったみたいで、髙木が捨てられた犬みたいな顔をする。

「ち、違くて。友達とかできたことないから」

幽霊が見えるみんなとは違う異質な俺には、人間の友達はほぼいない。いたとしても、もう友達とは呼べないだろう。

「だから、どこからが友達とかの基準がわからなくて。俺は友達だと思ってても相手がどう思ってるかわからないでしょ」
「……伊野尾くんは固いな。てかネガティブすぎ」
「うるさい。こっちは深刻に悩んでるんだよ」
「伊野尾くんがどう思ってるかはわからないけど、俺は友達だと思ってるよ」

……そうか、僕と髙木は友達なのか。

「なんか、嬉しいかも」
「伊野尾くん可愛いとこあるんだね」
「うるさい！」

髙木の言葉につい恥ずかしくなってしまう。

「……さっきも言ったけど友達の悩みは解決したいし、悩みとかあるなら支えたい」

ふと、唯一の人間の友達だった(・・・)彼のことを思い出した。

あのときの彼に似た優しい髙木の瞳。
もう1回、誰かに頼ったりしていいのかな？

「髙木」
「なに？伊野尾くん」
「これから俺が話すこと、信じてくれる？」
「もちろん」

俺は髙木に今回のことや幽霊のこと、そして彼のことを話すことにした。