Doll with a heart (ページ9)

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それから慧は涼介の着せ替え人形状態になっていた。

「慧さんいいよ！やっぱり人形は顔がいいね。」

涼介がそう言うからとかじゃないけど、確かに慧は顔は良いし、背も俺なんかより高いから似合ってる。あと、言ってはやらないけど涼介の作る服も結構いい。

「大ちゃん見て！」
「大貴、似合う？」

２人の声の方向に振り向くと、大人っぽい格好をした慧の姿があった。

「どう？俺の今回の自信作。」
「まぁ、いいんじゃない？」
「僕カッコイイかな？」
「うん。」
「本当？ありがとう、大貴。」

そう言い俺を抱きしめる慧。そしてバクバクとなり始める俺の心臓。俺、どうしちゃったんだ？

「/////」
「…大貴？涼介！大貴が真っ赤で…病気かも。」
「あ、大丈夫だと思う。」
「そうなの？よかった〜。」

そう言いながら俺から離れる慧。
今日の俺はなんだか変だ。だって、抱きしめられたら暑苦しい筈なのに、嫌がるどころか離れたのが少し寂しいなんて思ってしまう。
こんな気持ち、涼介や友達といたときにはなかったのに…。

………ってこれじゃあ俺は恋する乙女じゃないか。相手は男、それに人形。そんな訳ないはずだ。

ないはず…だよね？

・

その後、満足した涼介はまたすぐに来る！と言って帰ってしまった。

「慧、どうだった？」
「面白かった。」
「ならいいけど。慧、よく着せ替え人形にされても疲れなかったね。」
「僕は着せ替え人形だからね。また来るかな？」
「来ると思うよ。慧のおかげで創作意欲が湧いてくるって言ってたから。」
「そっか。今度は大貴が着てる所見たい。」
「いや、似合わないからいいよ。」
「大貴似合うと思うよ。僕は見てみたい。」

ニコリと笑いながら言う慧。そして、そんな慧にドキドキしてしまってる俺。
やっぱり今日の俺は変だな。やっぱり恋する乙女みたいになってしまう。

俺は、慧のことが好きなのか？