Doll with a heart (ページ8)

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俺は涼介に慧のことを話した。そして話を聞いた後の涼介が放った一言はこうだった。

「大ちゃん、エイプリルフールは何ヶ月先だと思ってるの？」

当然、信じてくれなかった。

「本当なんだから。」
「ふざけないで真実を話せ。」
「だから、真実だって。」

これじゃあ、話が進まない。どうしたら…。

「大貴、僕に任せて！」
「いいけど。どうするの？」
「こうする！」

慧はそう言うと、ポンッと仕送りの箱に入ってたときの人形の姿になった。っていうか、その姿に戻れるならもっと早くに言ってよ。

「に、人形になっちゃった！？」
「だから言っただろ？」
「ごめん。」

涼介がなんとか信じてくれたみたいでよかった。

「大貴。」
「どうした慧。」
「涼介、下向いてる。」
「え？」

見ると、涼介は下を向いて何か考え事をしていた。

「慧さんって人形なんだよね。」

そう言いながら、今度は慧をジロジロ見る涼介。

「うん。ピッタリ！慧さん、俺のモデルになって！」
「モデル？何それ？」

俺がモデルについて教えてる間に、涼介は持ってきていた手持ちトランクを開けた。トランクの中には涼介が作った服が入ってる。涼介は料理を作った礼だと無理矢理俺に涼介が作った服の試着をさせているのだ。カッコイイ服ならいいんだけど、偶に女物の服も女友達いないからという理由で着せられたりするので正直困ってたりする。

「大ちゃんはちっちゃいから、モデルとしては微妙だったんだよね。」
「お前だって微妙だろうが。大体、慧がそんなことＯＫするわけないだろ？」
「素敵なお洋服だね。うん、やるよ。」

え、なんで？

…そっか。そういえば慧は、ちゃんと確かめてないけど着せ替え人形だっだよね。
モデルやるのも仕方ないか…。