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「ユウ……俺を壊してよ。こんな世界いたくない。」
「…人間には輪廻転生という考えがある。」
小さく呟く僕に、ユウは僕を慰めるように言った。
「簡単に言えば、人間は身体が死んでも魂は消えずに別の姿に生まれ変わるということ。
…だけど、人形は壊れたら終わりだ。」
そのことは、ユウに説明されなくても知っていた。
「じゃあなんだよ。生まれ変わるまで待てって言うのか?何年、年百年、何千年…いつ会えるのかも、覚えてるかもわからないのに待てるかよ。」
「なぁ、お前は約束を信じないのか。」
「約束…?」
「嬉しそうに話してきただろ。死んでも、生まれ変わっても一緒だって。だったら、覚えてなくても会えるだろ?」
「うん。」
「まぁ、さすがに何百年も経ったら慧の精神的にも辛いだろうから、俺の賭けにのらないか?」
賭け?
「内容は?」
「今からお前に大掛かりな魔法をかける。それで、お前の心を一時的に眠らせてただの人形に変える。」
「それで?」
「彼が生まれ変わった時、お前をまた今の状態に戻るようにする。慧は心が戻ったら、彼の生まれ変わりを探せ。
そして、慧と彼の生まれ変わりの想いが通じあったとき、今度こそ慧は人間になる。」
「つまり、2人で一緒にいれるの?人間として?」
「あぁ。おとぎ話みたいでいいだろ?2人の約束を実現させろ。」
実際、成功するかわからない。みつけられないかもしれない。
けど…彼との約束を、ユウからもらったチャンスを信じたかった。
だから……
「うん。ユウ、お願い!」
「わかった。」
ユウが杖を振り上げると、僕を中心に大きな魔法陣が展開した。
「頑張れよ。俺の『最高の失敗作』。」
ユウの言葉を最後に僕は長い眠りについた。
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作者名:あやか | 作成日時:2018年11月24日 18時