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それから長い月日が経った。色々とあったが、人間になるための魔法は遂に完成した。
「やっと完成したね。資料が少なくて大変だったよ。」
「まぁ、場合によっては代償も必要な魔法だからな。」
ただでさえ資料も例も少ない魔法である上に、ユウの代償ができるだけ少なくなるように改良を重ねる必要があったため、完成までの時間がとても長くなった。
「これで人間になれる。」
「まぁ、途中でお前の身体が壊れたりしないように事前の準備がいるけど。」
「そっか。」
この日は彼にこの話をしようと思っていた。
喜ぶかな、それとも驚くかな。
そう思ってたら、彼がやって来た。
「…お邪魔します。」
「いらっしゃい!ねえねえ聞いて!俺、人間になる!」
「本当!?」
「もうすぐ色んな所に行けるよ。遠くにだって。」
「そっか。ならいいんだけど。」
「どうした?なにか浮かない顔だが。」
ユウが尋ねる。
確かに彼の顔を見ると、顔色が悪くみえた。
「実はね…」
彼の話をまとめると。
最近この村では作物が全然育たなくなったらしい。
それで賛成派はほぼいないが、人柱を用意すべきじゃないかという意見があるらしい。
「ユウ、人柱って何?」
「生贄のことだ。神に捧げる供物として人間を生きたまま埋める。」
「なにそれ。酷いよ。」
「今はないんだけど。数十年前まではやってたみたいなんだよね。だから、村のお年寄りが必要だって言い出して。まぁ、反対派が圧倒的に多いから大丈夫だけど。」
「そっか。」
その時の僕は、良かったと安心した。
けど、ユウは僕とは違う考えだったみたいで。
「こっちにまで影響が出ないといいが…。」
そう呟いていた。
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作者名:あやか | 作成日時:2018年11月24日 18時